ホーチミン市 医療観光 促進

(VOVWORLD) - ホーチミン市が、アジアの医療観光拠点になることが期待されています。
ホアイ こんにちは、ホアイです。
ソン こんにちは、ソンです。今日のこの時間は、医療観光を促進しているホーチミン市の取り組みについてお伝えします。
ホーチミン市 医療観光 促進 - ảnh 1 ホーチミン市

ホアイ はい。医療観光とは医療ツーリズムかメディカルツーリズムとも呼ばれていて、居住国とは異なる国や地域を訪れ、診断や治療などを含む医療サービスを受けるということです。

ソン 観光と医療サービスを組み合わせたものですね。有望な産業に育つとの見方が広がっているようですね。
ホアイ そのようですね。医療観光は長年、韓国やタイ、インド、シンガポールなどで盛んになっているそうです。
ソン そうですか。その中で、韓国は美容整形手術を受ける目的の渡航者が増えていますね。一方、シンガポールでは、医療観光は国家レベルで推進されており、患者を世界各国から招致しています。特に、アジア各地から高度な医療技術をもとめる患者をはじめ、アメリカからも低価格で高品質な医療を求めている患者が医療を受けているというのはシンガポールの医療観光の特徴ですね。
ホアイ そのようです。医療技術が進んでいて医療サービスが得意な日本は多くの外国人患者が行きたいところですね。日本政策投資銀行によりますと、2020年時点で年間43万人程の需要が潜在的にあるとみられます。観光を含む市場規模は約5500億円、経済波及効果は約2800億円と試算されています。
ソン その一方で、ベトナムでは、医療観光は1年前にホーチミン市で試験的に行われています。
ホアイ 発展途上国のベトナムは、国民の健康保護のために、多くの最新医療技術を導入しており、医療サービスをかなり改善しています。
ソン ベトナムの一流病院は、世界レベルの技術の多くを導入していますが、その医療費は先進国よりかなり低いです。それは外国人患者にとってベトナム医療の強みとなっていますね。
ホアイ はい。ホーチミン市医学大学病院やトゥズ病院などホーチミン市の一流病院はその強みを生かして旅行会社と協力して2017年に医療観光を展開し始めました。
ソン 実は、外国人患者がベトナムへ来て治療を受け始めたのは十数年前のことだそうですが、政策として展開されたのは昨年のことです。統計によりますと、2017年、ベトナムへ治療を受けに来た外国人患者は8万人で、その収益は約20億ドル(日本円で2200億円)にのぼっています。その中で、ホーチミン市の病院で治療を受けた患者はその約半分だそうです。
ホアイ しかし、外国人患者の中で最も多いのは外国の国籍を持つベトナム系外国人です。外国に住んでその国の国籍を持つベトナム人は400万人以上で、ベトナムの医療にとって有望な市場となっています。
ソン ベトナム系外国人は、言葉の面でも文化の面でも壁がないので、ベトナムで安く、質の高い治療を母語で気軽に受けられるのですね。
ホアイ しかし、医療観光を発展させるためには、ベトナム系外国人だけでは不十分です。そのため、昨年、ベトナム系外国人ではない一般外国人患者を誘致する取り組みが正式に始められました。
ソン ナム・ア・チヤウ旅行会社は、2017年に、ホーチミン市のいくつかの歯科クリニックと協力して、東南アジアの患者を対象とする医療観光ツアーを始めました。
ホアイ 同社の社長グエン・ドゥク・ミン・チさんは、歯科は医療観光の展開を目指すために最適の手段であると述べ、次のように語りました。
(テープ)
「これはベトナム医療の強みの一つです。ベトナムの歯科のレベルは高いですが、その価格は他の国よりかなり安いからです。お客さんは満足していますよ。歯科は医療観光を発展させる原動力の一つで、これから歯科による医療観光がかなり発展するのは間違いないでしょう。」
ホーチミン市 医療観光 促進 - ảnh 2

ホアイ ホーチミン市は、一流病院が設備面でも医師の面でも整備されていますし、外国人が多く住んでいることから、医療観光を発展させる環境に恵まれています。実は、多くの一流病院が、外国人向けのクリニックを開いています。そのため、外国人患者を満足させるノーハウをもつ病院は増えていますね。

ソン そうですね。中でも、ホーチミン医学大学病院は昨年、ベトナム在住外国人と外国人観光客を合わせて1万5千人もの外国人に医療サービスを提供しました。この病院に属する外国人患者向けの診療所は、設備が充実していることや、医師や看護婦が英語を始め多くの外国語ができることなどで有名です。
ホアイ しかし、医療観光は、いくつかの旅行会社と病院の協力で試験的に展開されているだけです。ティエン・ニェン・キ旅行会社のチン・グエン・フン・ズン社長によりますと、医療観光を発展させるためには、まず、関連各省庁が各病院や旅行会社と協力して、歯科や伝統医学などベトナムの得意な分野をPRすることが重要であるとしています。ズン社長の話です。
(テープ)
「近代的な設備を使っていますよというようなPRのほか、優れたベテランのお医者さんに診てもらえるよというPRなども必要です。例えば、先ごろ、難しい臓器移植手術に成功したお医者さんが世界の医学界から好評を受けていますが、これらのお医者さんをPRするのはその効果が高いと思います。これらのお医者さんを医療観光のアンバサダーとして認定するのはいいアイデアだと思います。」
ホアイ 実は、関連各省庁は、医療観光の発展を目指す取り組みを始めました。昨年末、ホーチミン市の観光局と保健局は「医療観光の発展方向」と題するシンポジウムを共催し、医療観光を発展させる政策を従事してゆく方針です。
ソン そして、先月、ホーチミン市保健局は、ベトナム語と英語の両方で印刷された「医療観光ハンドブック」というパンフレットを発表しました。今回1万冊が印刷されたこのパンフレットには、ホーチミン市の各病院に関する詳しい情報が記載されています。
ホアイ また、ホーチミン市当局は、医療観光に関する基準と奨励政策の作成を急いでいるそうです。しかし、同市観光局のラ・クォック・カイン副局長は、旅行会社と病院の取り組みが重要であると述べ、次のように語りました。
(テープ)
「各旅行会社と病院は協力して、質の高い商品とサービスを提供できるようにしなければなりません。それは、別々の商品やサービスではなく、医療観光のバリューチェーンづくりに取り組む必要があると思います。」
ホアイ これまで、医療観光のバリューチェーンに参加しているホーチミン市の病院の数は11か所になっていますが、これから、参加する病院数を増やすとともに、そのバリューチェーンの質を高めるのはホーチミン市の方針です。
ソン ホーチミン市が、アジアの医療観光拠点になることが期待されていますね。ではおしまいに、一曲をお送りしましょう。
(曲)
「 」をお送りしました。今日のハノイ便りは、医療観光を促進しているホーチミン市の取り組みについてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。

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