大自然の中で営むコム族の生活

2016年12月26日 - 17:02:58


少数民族コム族の生活は大自然と緊密につながっていますから、コム族の信仰や音楽、行事などでは大自然の要素がよく見られています。現代生活の影響が大きくなっているものの、大自然はそのままコム族の生活の中で欠くことのできない存在であり続けています。

コム族の村に足を運んだことのある人は誰もが壮大な山々の中にある村の平穏な風景に魅了されることでしょう。特に、コム族の生活と大自然との強いつながりを物語っていることが印象的です。

大自然とのつながりがすぐわかるのが高床式の家です。その資材の全ては自然からのものです。柱や壁などは竹と木からつくられ、屋根は藁葺きです。そして、ほとんどの家具は竹や藤でできたものばかりです。

大自然の中て営むコム族の生活 hinh 0
コム族の踊り

それから、コム族の楽器のほとんども竹でできています。そのためか、これらの楽器は、大自然の音を出すと言われています。少数民族の楽器を集めている音楽研究者ディン・サウさんは次のように話しています。

(テープ)

「大自然の魂を持つ楽器は今なおコム族の生活の中でよく使われています。「オムディン」(Om ding)、「ダオ」(Dao)、「トット」(Tot)、「ピトム」(Pi tom)などの楽器はコム族ならではの民謡でよく使われますし、新年の踊りや魚の踊り、スカーフの踊りなど村の祭りで踊る踊りのメロディーをつくるためにもよく使われます。」

その中で、「ダオ」はコム族の人々がよく使っている打楽器です。「ダオ」は数本の竹を並べてできた楽器ですが、元々鳥や動物が田畑を食い荒らすのを守るため、この楽器の音を使って鳥や動物を追い払いました。その一方で、「トット」と「ピトム」は竹でできた笛です。

しかし、コム族の楽器で最も使われるのは「オムディン」でしょう。「オムディン」は弦楽器ですが、その本体や紐などは全て竹でできています。「オムディン」はお祭りの踊りのメロディーをつくる楽器で、大自然の中で暮らしたいコム族の精神を表していると言われています。コム族の一人コン・ザンさんは次のように話しています。

(テープ)

「昔、コム族は踊りたいとき、ドラがないので、ドラの代わりに、オムディンを作りました。オムディンは3本の紐があって、真ん中の紐は小さい音、右の紐は大きい音、左の紐は普通の音を出します。」

大自然の精神を込めたコム族の楽器と民謡は貴重な無形文化財であると評されています。そのため、この文化財を保存・開発するのは重要な課題となっています。ベトナム民族学博物館のヴィ・ヴァン・アン博士は次のように話しています。

(テープ)

「まずは、コム族の全ての民謡と楽器について調査を行った上で、それを保存してその価値を次世代に伝えなければなりません。保存方法として2つあると思います。一つ目は、楽器などを博物館で展示する方法です。2つ目は、子どもたちに教えることなどを通じてコミュニティーで守り保存する方法です。」

現在、コム族の人々の生活はかなり改善されていますが、その生活は昔のまま、大自然との強いつながりを持ち続けています。