シリアへの軍事介入、危険な行動

 

シリア情勢は、軍事介入論で緊張が高まっています。この数日におけるアメリカとイギリスなどの動きから見れば、シリア内戦が大規模な戦争に発展する危険性があるといえます。

化学兵器使用問題をめぐる対処について、アメリカ政府は28日、国連の安全保障理事会決議がない場合、アメリカ独自で決断し、軍事介入に踏み切る可能性を示しました。また、オバマ大統領は「再び化学兵器を使用させないようにするため」として、軍事介入が限定的なものになると強調しました。


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アメリカ海軍のミサイル駆逐艦がトマホークミサイルを発射(写真:Baomoi.com)

一方、28日、イギリスはニューヨークの国連本部で行われた安保理の常任理事国の会議にシリア問題に関する決議案を提出しました。決議案は「アサド政権に化学兵器を使わないよう求め、化学兵器で苦しめられたシリア国民を救うとして軍事介入を可能にする」内容になっています。

これに対し、シリア政府は対決姿勢を鮮明にしています。シリアのハルキ首相は、28日、国営通信を通じて「攻撃が行われれば、シリアは侵略者の墓場になる」とけん制しました。そ のうえで、ハルキ首相は、アメリカなどが10年前に「イラクは大量破壊兵器を保有している」と十分な証拠がないまま主張して戦争に踏み切ったことを指摘し、「イラクを侵略するために(いつわ)りの主張で欧米が国際世論を誤った方向に導いたことを世界は覚えている」として批判しました。

シリアの緊張情勢は他の国々も拡大しています。シリアに対する軍事介入が近いと見られることを受けて、周辺国は警戒を強めています。シリアと国境を接するトルコのダウトオール外相、イラクのマリキ首相は、それぞれ軍が警戒レベルを上げていると明らかにしました。イスラエルではシリア、あるいはシリアを支援するレバノンのシーア派組織ヒズボラなどの攻撃に備えてガスマスクが配られました。イスラエル紙ハアレツによりますと、ミサイル迎撃システム「アイアンドーム」2組は、シリアとの国境に近い北部に配置されています。

こうした中、国際社会は深い懸念を示しており、強く反発しています。ロシアと中国は国連安保理で対シリア武力行使決議案に反対しました。中国外務省は29日、シリア情勢に関する王毅外相の声明を発表し、「外部からの軍事介入は、国連憲章の趣旨と国際関係の基本ルールに反する」として、武力行使に傾くアメリカとイギリスなどを牽制しました。

アメリカとイギリス国内も反対の声が上がっています。アメリカ報道機関の世論調査によりますと、同国では国民の6割が反対しています。イギリスでは、市民による反対デモが発生している中、同国議会が国連の調査団の結果が出るまで軍事介入の可否を決める採決を行わないと決定したという動きも出てきました。

アナリストらは、戦争が勃発すれば、一般人が人道的惨禍に陥る」と指定しています。また、イラク戦争を例として取り上げ、「アメリカとイギリスにはイラク戦争の苦い経験があった」と指摘した上で、「軍事介入は中東地域情勢などをさらに悪化させる危険な行動である」と警鐘を鳴らしました。さらに、「シリア問題の唯一の解決策は、政府とは政府側が停戦し、政治的合意を達成するために平和的交渉を行うことだ」との見解を示しています。

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