ユーロ圏債務危機


債務危機打開へ向けた正念場となるEU欧州連合首脳会議を目前に、ドイツ・フランス首脳らは5日、財政規律強化など共同提案の骨子を発表しました。財政規律のルール違反に対する制裁実行の強化のほか、恒久的な金融安全網のESM欧州安定メカニズムの設置を2012年に前倒しします。域内一緒に国債を出すユーロ共同債の導 入は見送ります。

ユーロ圏の債務危機が深刻さを増しており、独仏首脳は「小出し」の対策の積み重ねでなく包括的な信頼回復策の重要性を強調しました。共同提案の第一のカギは「財政規律」です。協定に違反した場合の制裁の自動的な発動が盛り込まれ、財政悪化の進行を防ぎます。第二のポイントは中長期的な金融面の信頼回復策です。現在の安全網である欧州金融安定基金の後継で、本来は13年半ばに設置を予定したESMの設立を早め、危機対応力を強化します。ギリシャの金融支援で民間負担を巡る混乱が生じたように、欧州の突出したルール作りが投資家の不安を招かないよう配慮します。一方、欧州委員会が導入を提案していたユーロ共同債については「今回の危機対応では導入しない」とサルコジ氏も応じました。ドイツ・フランス首脳の共同提案では、ユーロ圏の首脳が毎月1回、定期的に集まる「経済政府」の設置も盛り込みました。一連の中長期的な対策を「決定版」として、信頼回復にカジを切るドイツ・フランス首脳ですが、足元の金融市場の混乱を解決するめどは立っていません。サルコジ大統領は欧州中央銀行が危機対応にもっと積極的に関与すべきだとの意見をかつて表明しましたが、中銀の独立性を強調するメルケル氏の指摘を受け、口出しを控えました。欧州首脳は規律強化の大胆な対策を出すことで、欧州中央銀行が呼応してより積極的な市場安定に乗り出すとの期待を強めています。

ただ、EU首脳会議の前後に市場が再び混乱するような展開も否定できなません。そんな段階でもフランスが沈黙(ちんもく)を続けるのかどうかも注目点です。

ドアン・チュン

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