(日経）欧州連合（EU）は13日開いた首脳会議で、メイ英首相が求めたアイルランド国境問題を巡る「安全策」を「1年に限る」との提案を拒絶しました。メイ氏はEU離脱案の英議会承認に必要な譲歩を得られなかった格好だ。離脱問題は議会承認のメドが見えないまま越年する公算が大きいです。
「英国はEUが何を望んでいるのかを尋ねるのではなく、自分たちが何を望んでいるのかを話す必要がある」。EUのユンケル欧州委員長は首脳会議後の記者会見で、英国側の姿勢に不満をにじませました。
メイ政権とEUが11月に決めた離脱合意案には英議会の反発が強く、11日に予定していた採決は直前で延期になりました。アイルランド国境問題の解決まで英国全土をEU関税同盟に残すとの内容に、EU支配が長引くとの懸念が強まったためです。
メイ首相はEU側から「関税同盟への残留は一時的である」との保証を取り付け、英議会の反対派を説得する材料にする考えでした。
しかし、欧州メディアによると、首脳会議でメイ首相は説明資料などを示さず、EUに何を求めているのか曖昧な態度に終始しました。漠然と協力を訴えるメイ首相の姿勢に不快感を示す首脳が相次いだということです。