シリアの市民ボランティア団体、欧米が退避を検討

(CNN) 内戦が続くシリアで活動する救助ボランティアの市民団体「シリア民間防衛隊(通称・ホワイトヘルメッツ)」について、欧米諸国が国外へ退避させる措置を検討していることが16日までに分かりました。

シリア情勢に詳しい外交筋と、複数の政権当局者が明らかにしました。米英仏とカナダなどが、ホワイトヘルメッツのメンバー約1000人とその家族に危険が迫っているとの理由から、退避計画を話し合っているといいます。

シリア政府はホワイトヘルメッツをテロ組織とみなしてきましたが、国際社会と同団体自体はこれを否定しています。

避難先の候補としてはカナダやイギリスが挙がり、一部をドイツが引き取る案も出ているといいます。

ある情報筋によれば、トランプ大統領が先週出席したNATO=北大西洋条約機構首脳会議でもホワイトヘルメッツの退避が話し合われました。アメリカは避難ルートを確保するため、イスラエルとヨルダンに働き掛けるよう説得を受けたといいます。

同情報筋によりますと、この問題は16日に予定されるトランプ氏とプーチン・ロシア大統領の会談で取り上げられる可能性もあります。

これに対し、ロシアが信頼できる相手かどうかを疑問視する声が上がっています。シリア政府を支援するロシアは最近、「ホワイトヘルメッツは住民を狙うテロリスト」とのうわさをあおっているとされるためです。

欧州諸国などはロシアの助けを借りずにホワイトヘルメッツを避難させる方法を探っていますが、作戦の見通しは立っていません。

シリア政府軍はこのところ南西部への攻撃を強め、事態をさらに複雑化させています。

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