シリア戦闘再燃 国連安保理は米ロ対立で解決策示せず


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ロシアのチュルキン国連大使(左)と米のパワー国連大使=RT

(NHK)シリアでは今月12日にアサド政権と反政府勢力が停戦に入ったものの、戦闘が再発し、北部アレッポの反政府勢力の支配地域では、連日、政権側による激しい空爆で、市民の犠牲が増え続けています。
対応を協議するため、25日、開かれた国連安全保障理事会の緊急の会合では、アメリカのパワー国連大使が政権側とロシアはかつてなく激しい空爆で市民を殺害していると強く非難したのに対し、ロシアのチュルキン国連大使は反政府勢力側が市民が避難するのを妨げ、「人間の盾」に利用していると反論するなど、非難の応酬に終始しました。
また、調停にあたっている国連のデミストラ特使は、アサド政権と反政府勢力に直接の対話を呼びかけたものの、双方から拒否されたことを明らかにしました。
こうした中、エジプトのアブデルラティフ大使は「われわれは皆、シリアの戦いが代理戦争であることを知っている。流血を止められるかは、軍事作戦に直接的、間接的に加わっている勢力次第だ」と述べるなど、非常任理事国からは大国の利害が対立し、安保理が有効な解決策を示せない現状に、苛立(いらだ)ちの声が相次ぎました。

シリアでの戦闘再燃をめぐって、ロシア国営テレビは、シリアの政府軍とロシア軍に従軍する取材班を、北部アレッポへ派遣し、アサド政権側の攻勢を大きく伝えています。このなかでロシア国営テレビは、現地からのリポートで、アサド政権側が、アレッポ東部の反政府勢力の支配地域に攻勢をかけて、一部の地区を奪還し、反政府勢力の拠点からは、アメリカ製の兵器などが見つかったとしています。また、アレッポを、第2次世界大戦の際に、ソビエト軍がナチスドイツに反撃するきっかけとなった激戦が行われた町、スターリングラードに例えて、ロシア軍の支援を受けたアサド政権側の攻勢を正当化して伝えています。

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