トランプ大統領のゴラン高原に関する発言 国連は慎重姿勢
(NHK)アメリカのトランプ大統領が、イスラエルが占領するゴラン高原についてイスラエルの主権を認める考えを示したことに対し、国連は22日、コメントを避け、安保理決議違反に当たるかどうかも明言しませんでした。
アメリカのトランプ大統領が、もとはシリア領でイスラエルが占領を続けるゴラン高原について、イスラエルの主権を認める考えを示したことに、アラブ諸国などから反発や撤回を求める声が相次いでいます。
これについて国連のハク副報道官は22日、定例の記者会見で「特にコメントすることはない」としたうえで、イスラエルの占領を違法だとする安保理決議に違反するかどうかについても「安保理のメンバーが決めることだ」と述べて、明言を避けました。
国連は、1974年からゴラン高原でイスラエルとシリアの両軍の兵力を引き離す合意に基づいて、PKO=平和維持部隊が停戦監視を行っています。
今月28日には、このPKO部隊の権限の更新を協議する会合が安保理で開かれる予定で、国連としては各国がどのような立場を示すのか事態の推移を見極めたいものとみられます。