今年最大とされ、中国メディアが「風王」と呼ぶ今回の台風は、香港で超高層ビルを揺らし樹木をなぎ倒して200人以上の負傷者を出した後、中国南部広東省江門市の沿岸部に上陸しました。当局はこれに先立ち、計237万人を避難させ、漁船数万隻に帰港を命じました。

国営の中国中央テレビ（CCTV）は、この台風により同省で2人が死亡したと報じています。

香港気象台は最高レベルの警報を出して警戒を呼び掛けています。香港政府によりますと、風速60メートルを超える猛烈な突風が吹き、負傷者は213人に上ったといいます。

この台風は15日には、フィリピン本島ルソン島北部を襲いました。広い範囲が水没し、暴風で樹木が根こそぎ倒れ、豪雨により数十か所で土砂崩れが発生しました。

フィリピン警察によりますと、土砂崩れによる犠牲者が新たに発見され、死者は16日夜の時点で59人に達しました。

当局は、同国北部バギオ付近で発生した土砂崩れで鉱山労働者24人が生き埋めになっている恐れがあり、翌17日朝に救出活動を続けるとしています。