(NHK)国連総会では、アメリカが続けているキューバに対する経済制裁の解除を求める決議が、過去24年間にわたってアメリカなどを除く圧倒的多数の賛成で採択されていて、ことしも26日、ニューヨークの国連総会で採決が行われました。
(写真:THX/TTXVN)
この中で、アメリカのパワー国連大使が「これまで常に反対してきたが、きょうは棄権する」と述べると、議場から拍手が起きました。棄権した理由についてパワー大使は、「女の子が男の子と同じように小中学校に通えるようになったり、国民の福祉面でも大きな進展があった」と述べ、キューバで民主化が進んだことなどを挙げました。これに対して、キューバのロドリゲス外相は、アメリカの対応を評価しつつも、「経済制裁の解除が両国の関係正常化の鍵だ」と述べ、制裁を完全に解除するよう訴えました。
アメリカとキューバは去年、54年ぶりに国交を回復し、オバマ政権は、渡航や送金などの制限を緩和するなど、大統領権限でできる緩和措置を続けてきました。しかし、アメリカ議会が人権問題の改善を優先させるべきだとして制裁の完全解除に慎重な姿勢を崩しておらず、制裁がすべて解除される見通しは立っていません。