日米欧 貿易の自国産業優遇政策の是正で連携

(NHK)アルゼンチンを訪れている世耕経済産業大臣は、アメリカやEU=ヨーロッパ連合の閣僚と会談し、中国などを念頭に自国産業を優遇する政策が自由な貿易をゆがめているとして、日米欧で連携して是正を求めていくことで合意しました。


WTO=世界貿易機関の閣僚会議に出席するため、アルゼンチンを訪れている世耕経済産業大臣は12日、アメリカのライトハイザー通商代表とEU=ヨーロッパ連合で通商政策を担当するマルムストローム委員と会談しました。

会談後、共同声明が発表され、中国などを念頭に自国産業を優遇する政策が自由な貿易をゆがめているとして、日米欧で連携して是正を求めていくことで合意しました。

具体的には、政府からの補助金によって鉄鋼や自動車産業で過剰に生産が行われていることや、外国企業に対して政府が強制的に先端技術を移転するよう求めていることなどを問題視しています。そのうえで声明では、「不公正な措置や保護主義的な措置を排除するため、日米欧の協力を拡大することに合意した」として、今後、WTOなどを通じて、働きかけを強めることにしています。

こうした貿易をめぐる措置に対して、アメリカはWTOが対処能力を失っていると批判しており、世耕大臣は会談に先立って、「自由な貿易体制を維持していく中で、日本は旗手のような存在になっている。立場の違う国々の接着剤になりたい」と述べ、議論を主導していく考えを示しました。


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