米、中国に貿易協議再開を打診=巨額制裁前に譲歩促す-報道
【ワシントン時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は12日、トランプ米政権が中国との貿易摩擦緩和に向けた閣僚協議の再開を打診したと報じました。
ムニューシン財務長官率(写真:AFP/TTXVN ) |
中国の知的財産権侵害を理由とする巨額制裁を準備する中、米国が提起した貿易課題をめぐる中国の対応を改めて見極める狙いとみられます。実現すれば閣僚級の米中貿易協議は6月初旬以来となります。
報道によりますと、ムニューシン財務長官率いる米交渉団が最近、中国の劉鶴副首相に今後数週間以内の協議再開を提案しました。米政権は近く中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)相当に追加制裁関税を課す検討を進めており、トランプ大統領はさらに2670億ドル(約30兆円)相当を対象に加える計画を明かしました。両国はこれまで互いに500億ドル相当への関税を発動済みですが、今後の米制裁規模は大きく、米中双方の経済に深刻な影響を及ぼすと懸念されています。
米中両国は6月初旬までに閣僚レベルで計3回話し合ったものの溝は埋まらず、制裁関税と報復を繰り返す「貿易戦争」に突入しました。8月下旬に開いた次官級協議もほとんど進展がなかったもようです。米は巨額制裁を取引材料に、貿易赤字や知財侵害の是正、補助金を使ったハイテク産業振興戦略の見直しで中国に譲歩を迫る構えです。