米国が要請したイランのタンカー差し押さえ、ジブラルタルが拒否

(VOVWORLD) -18日、英領ジブラルタルは、シリアに違法に石油を運んでいたとして拿捕(だほ)した後、解放を決定し退去させる準備をしていたイランの大型石油タンカー「グレース1(Grace 1)」について、アメリカが要請していた差し押さえを行わないと発表しました。

ジブラルタル自治政府は「ジブラルタルで適用されるEUの対イラン制裁は、アメリカで適用されるよりもはるかに狭いものだ」と指摘し、アメリカの対イラン制裁はEU=欧州連合内に適用されないため、グレース1の差し押さえ命令を出すよう裁判所に求めることはできないとしています。

駐英イラン大使はツイッターに、グレース1には新たな乗組員が乗り込み、18日夜に出航する見込みだと投稿しました。

ジブラルタル当局は7月4日、EUの制裁に違反してシリアへ石油を輸送しようとした疑いがあるとしてグレース1を拿捕しました。その後今月15日にジブラルタルの裁判所は、グレース1の解放を命じていました。

だが米司法省は今月16日、グレース1は米国がテロ組織に指定しているイラン革命防衛隊(IRGC)によるシリアへの違法輸送に関与していたとして、グレース1の差し押さえを求めていました。

グレース1の拿捕によりイランと英国の関係は急速に悪化した。イランはその後、英船籍のタンカー「ステナ・インペロ(Stena Impero)」を拿捕。報復措置とみられている。

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