ラスムセン事務総長
NATO=北大西洋条約機構は今月、首脳会議を開くのを前にラスムセン事務総長が記者会見し、ウクライナ情勢を巡ってロシアからの軍事的な脅威が高まっているとして、NATO軍を最短2日で加盟国に到着させる、新たな部隊の創設を目指す考えを示しました。
NATOは今月4日と5日の2日間、イギリス西部のウェールズで首脳会議を開く予定で、これを前にラスムセン事務総長が1日、ベルギーのブリュッセルで記者会見を開きました。
ラスムセン事務総長は「ロシアは今やNATOのことを敵だと考えており、我々も現実に向き合って対応しなければならない」と述べ、会議では、ロシアの脅威への対応が、主要議題になるとの見通しを示しました。
そのうえでラスムセン事務総長は、会議では加盟国が攻め込まれた場合、数千人規模のNATO部隊を直ちに派遣できる態勢を整える「行動計画」をまとめることを明らかにしました。
NATOの高官によりますと、この部隊は、最短2日で加盟国に到着させることができ、部隊が使用する弾薬や燃料はあらかじめ東ヨーロッパの国々などに配置したいとしています。
また首脳会議では、加盟各国の防衛費増額で合意したいとしており、今回の首脳会議は冷戦終結後、良好な関係にあったロシアとの関係を大幅に見直すことになりそうです。