（写真：alumnicoppead.com.br）

メイ英首相はイングランド南部のバークシャーにある自宅の外で「昨年６月の国民投票で決まった円滑な秩序あるＥＵ離脱に向け、重要な一歩となる」と強調しました。離脱は２０１９年３月２９日になると付け加えました。

ただ、通商関係の交渉に関してはＥＵ首脳らは厳しいものになると予想しています。協議は早くとも来年３月以降となります。

ドイツのメルケル首相は「第２段階が始められるのは大きな進展だ」としながらも「これまでの交渉より厳しい作業が待っている」と述べました。

英ポンドは一時、対ドルで上昇したものの、この日は０．８％下落し１ポンド＝１．３３２７ドルでした。

オーストリアのケルン首相は英アイルランド国境の扱いについて、境界を設けずに「イギリスが単一市場から離脱するというのはあり得ない。小学生でも不可解だと分かる」と釘を刺しました。

ＥＵ首脳らはイギリスがＥＵを離脱して「第３国」になってはじめて自由貿易協定を結べるとの見解を改めて示しました。

メイ首相も６月の総選挙で自身が率いる保守党が過半数割れし、求心力が弱まった中での第１段階の交渉でした。

今後はイギリスの離脱後のあり方について、閣僚間の溝がむき出しになる場面が多くなるとみられます。

伝統的にイギリスと親密な関係を続けてきたオランダのルッテ首相は「イギリスの金融部門はＥＵ離脱によってかなり不利な立場に置かれる」と指摘しました。離脱によって失われる利益をメイ首相は有権者に説明する責任があると述べました。