読書習慣の普及

(VOVWORLD) - 近年、読書習慣の普及は社会全体の注目を集めている差し迫った課題となっています。

ホアイ こんにちは、ホアイです。

ソン こんにちは、ソンです。先ごろ、ハノイのトンニャット公園で、「秋のブックフェスティバル2018」というイベントが行われましたが、これは、読書習慣を普及させるためのイベントでしたね。

読書習慣の普及 - ảnh 1 秋のブックフェスティバル2018

ホアイ 近年、読書習慣の普及は社会全体の注目を集めている差し迫った課題となっているので、そのようなイベントは頻繁に行われていますね。では今日のハノイ便りは、読書習慣の普及についてお伝えします。

ソン はい。最近はスマートフォンやタブレットなど、情報収集がどんどん便利になっている一方で、若者の活字離れが問題になっています。

ホアイ これはベトナムだけでなく、多くの国にとっても問題となっているようです。読書習慣がかなり固まっている日本でもその問題があると言われています。毎年行われている読書に関する調査で、1年に1冊以上本を読む人の数が減少傾向にあるそうです。

ソン でも、ベトナム人より日本人の方が本を読んでいる気がします。というのは日本に駐在していた時に、電車の中で本を読む人を結構見かけましたから。

読書習慣の普及 - ảnh 2 秋のブックフェスティバル2018で展示された本

ホアイ ベトナムでは、公の場で、特に若者が本を読んでいるところはあまり見かけません。スマートフォンばかりいじっています。

ソン 本をはじめとして印刷物というのは、社会と経済の発展にとって必要なものだと思いますので、スマートフォンは便利で、電子ブックの普及にも役立っているという効果があると言われているにもかかわらず、本の役割を完全に果たしているとはいえない気がしますね。

ホアイ そうですね。本は単に知識を得るものではなくて、そこからいろいろ自分で考えるという思考のトレーニングになりますからね。もちろん、難しいことだけでなくて、趣味としての読書はストレス解消にもなりますし、、、

ソン そうなんです。でも、インターネットやスマートフォンの普及で、本を読むということが減ってきたのが現状です。ある調査によりますと、フランスなどの先進国では年間平均読書数は20冊以上なんですが、ベトナムはわずか4冊です。ちなみに近隣国のシンガポールは14冊、マレーシアでは10冊となっています。

読書習慣の普及 - ảnh 3

ホアイ こうした現状を前に、2014年にベトナム政府が4月21日をベトナム読書の日に制定しました。これは読書習慣の普及を目指すものです。

ソン 実際、近年、ベトナム全国各地で、ブックフェスティバルや、本の見本市など様々なイベントが頻繁に行われています。また、地方では、村への本棚設置運動や本のフリーマーケットなども行われています。

ホアイ これにより、近年、本を読む人が増えつつあり、読書習慣が徐々に広がっているようですね。

ソン これは、書籍の発行部数が示しています。出版管理局によりますと、昨年、2万5千種類の書籍が発刊されて、その部数は2億9300万部にのぼっています。その5年前、2012年は、1万6500種類の書籍が1億9千万部の発刊でした。

ホアイ かなりの成長ですね。先月ハノイで行われた「秋のブックフェスティバル2018」のようなイベントは読書習慣の普及に役立っており、この成長に貢献していると評されています。

読書習慣の普及 - ảnh 4

ソン 今回のブックフェスティバルは約5万人のハノイ市民が訪れたと推測されています。フェスティバル会場に設置された60の展示ブースは、政治・経済・宗教・科学技術・文化・文学・児童など様々な分野の書籍を展示し、読者の多様なニーズに応えていました。また、フェスティバルで、読者たちは、自分の好きな本を見つけたり、作家と交流したりすることができました。ハノイ市民の一人グエン・ティ・フォンさんは次のように話しました。

(テープ)

「本が大好きですから、このようなイベントがあると、必ず行きますよ。今回のイベントには、キムドン出版社など、いい本をよく出している出版社が多く参加しているので、いい本がたくさん買えました。また、割引もたくさんありましたよ。」

ソン 女性出版社のクック・ティ・ホア・フォン社長によりますと、今回のブックフェスティバルは、出版業者にとっても読者のニーズを調査したり、ほかの業者との協力チャンスを探るためのよいチャンスです。フォン社長の話です。

(テープ)

「このようなイベントは、全国民にとって読書文化の祭りです。読者にとって好きな本を見つけたり、互いに書籍について話し合ったりするチャンスであるのに対し、私たち出版業界にとっても、連携チャンスを探るよいチャンスです。イベントで、読者たちが自分の好きな本を選んで喜ぶことは私たちにとって何よりの幸せですから。」

読書習慣の普及 - ảnh 5

ソン 秋のブックフェスティバルのようなイベントは、本に対する若者の興味を芽生えさせるという効果があるようです。イベントには多くの若者が参加していて、イベントの各活動を楽しみました。

ホアイ 若者たちは、恋愛小説などエンターテインメント的な書籍だけでなく、心身練磨や歴史、科学技術に関する書籍に興味をもっているということがわかりました。ハノイの教育管理学院の学生ヴォン・ニャット・アインさんは次のように話しました。

(テープ)

「ブックフェスティバルで展示されている本はすべて形式的にも内容的にも。いいと思います。また、種類も豊富です。現在、スマートフォンの使用者が多くなっていますが、本を読む人も増えつつあると思います。本は知識を提供するだけでなく、心を癒すという効果もあるからです。」

ホアイ 今回のブックフェスティバルを機に、山岳地帯の小・中学校千校の図書館のために本を寄付する運動も始まりました。これは、読書習慣を全国各地に展開するためのものです。これについて、出版管理局のグエン・ゴック・バオ副局長は次のように語りました。

(テープ)

「このようなブックフェスティバルは、出版業界と読者との懸け橋になることを期待しております。これにより、出版業界は読者のニーズを理解したうえで、読者の要求と願望に応えられるようになると思います。これからも、このようなイベントは都市部はもちろん、僻地や山岳地帯などでも頻繁に行われるといいですね。これは、国民の知的レベルアップにつながりますから。」

ホアイ ハノイやホーチミンなどの大都市では、秋のブックフェスティバルのほか、春のブックフェスティバルやベトナムのブックデー、ハノイの本祭りなど様々なイベントがよく行われていますが、僻地や山岳地帯での開催はこれからの課題ですね。

ソン そうですね。本には人類と先祖の知識などがたくさんありますから、本は国の発展に欠かせない存在ですね。ではおしまいに、一曲をお送りしましょう。

(曲)

「 」をお送りしました。今日のハノイ便りは、読書習慣の普及についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。

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