ベトナム初のオーディオブック作成者ズオンさん

(VOVWORLD) -先ごろ、ベトナムにおける最初のオーディオブックを作成したグェン・フォン・ズオンさんが、交通事故で即死、47歳でした。これは、多くの人々、特にホーチミン市に住む視覚障がい者にとって深い悲しみと共に大きな損失となりました。
ベトナム初のオーディオブック作成者ズオンさん - ảnh 1      ズオンさん

ズオンさんは、幼い頃から、青少年向けの諸活動に大活躍してきました。25歳の時、交通事故に遭い、両足を切断しました。それでも、前向きに生きていました。彼女は、身体の不自由な人々を支援するために全力を尽くし、積極的に多くの慈善活動に参加してきました。ホーチミン市文化スポーツ観光局の元副局長の話です。

(テープ)

「交通事故で、肉体的精神的な苦痛を背負ったズオンさんが社会的活動に積極的に参加したり、幅広い影響力を持つ人になるとは思いませんでした。しかし、彼女は、数多くの身体の不自由な子供たちにとってお手本であり、原動力となってきました。」

多くのベトナム人にとって、グェン・フォン・ズンさんについて言えば、彼女自身が作成した視覚障がい者のためのオーディオブックを思い出します。1998年に、ホーチミン市にある盲学校を訪れた際、視覚障害の生徒たちに本を読んであげたところ、生徒たちが本が好きになっていることを知り、目に障害のある人たちの為に、オーディオブックを作成することにしたのです。

当初、彼女は、全国の視覚障がい者がオーディオブックを利用できるように、自分だけで小学校の教科書を収録して、インターネットに掲載しました。だんだん、多くのボランティアやアナウンサーがズオンさんの有意義な行動を知り、彼女と共にオーディオブック作成に参加しました。それから、ベトナムにおける最初のオーディオブック図書館は開設されました。そのお陰で、ベトナムの視覚障がい者はラジオやインターネットを通して勉強できるようになりました。オーディオブックは視覚障がい者の生活を変化させる一方、ズオンさんの社会復帰に寄与してきました。これまでに、この図書館は、歴史、文化、文学、科学、医療に関わる書籍や小中学校の教科書などを収録し、全国の約200万人の視覚障がい者にオーディオブックを無料で提供してきました。

ホーチミン市に住む視覚障がい者の一人は「この20年間、ズオンさんが作成したオーディオブックを無料で利用している。または、貧困な人なら、CDプレーヤーとか、杖を無料でもらえる。それだけでなく、情報工学を勉強したい場合、ズオンさんのスタッフから教えてあげるよ。」と明らかにしました。

(テープ)

「ズオンさんは、私のような視覚障がい者への支援を気にかけてくれました。彼女のお陰で、色々な面白い本を接触するようになり、早々と社会復帰することができました。」

長年にわたって、ズオンさんは、ホーチミン市の身体の不自由な人と孤児保護協会の一員として、恵まれない障がい者への支援を呼びかける為に、支援者に積極的に働きかけました。同協会の他のメンバーの話です。

(テープ)

「ズオンさんが亡くなったことは、多くの人々にとって損失となっています。特に、身体の不自由な子供たちが、生活の困難を乗り越える原動力として、ズオンさんの精神的支援を必要としているのです。」

ズオンさんは、この世の中にいなくなりましたが、視覚障がい者に対する彼女はいつまでも生きていることでしょう。

ご感想

他の情報