猿の橋のコンクリート化させた専門家のチン・バン・イーさん

(VOVWORLD) -ベトナムの農村部、特に南部メコンデルタ地域は河川が一番多く、これらの場所へ足を運んでみると、竹製の橋をよく目にします。

これらの橋は、手すりにつかまりながら渡る姿が猿に似ていることから、「カウ・キー(CauKhi)」猿の橋と呼ばれています。この竹の橋は、高くなく危険だとは思えませんが、時間が経っているので劣化し、いつバランスを崩して落ちるかわからず、危険性が高まっています。こうした状態で、この十数年の間、竹の橋に代わるコンクリート化された橋の建設が行われるようになっています。

猿の橋のコンクリート化させた専門家のチン・バン・イーさん - ảnh 1  イーさんと「カウ・キー(CauKhi)」猿の橋

南部ベンチェ(BenTre)省橋梁科学技術協会会長を務めるチン・バン・イーさんと同僚は、この20年間にわたって、合計で2000本の橋、500㎞に及ぶ交通道路の建設を行ってきました。

イーさんは、かつて15年間、ベンチエ省人民委員会副委員長を務めていました。定年退職後、同省橋梁科学技術協会の副会長を経て、現在は会長に選ばれました。ベンチェ省は、多くの竹の橋が劣化しつつあります。そこで、自分の威信と責任を持って、新しい橋にするために、国内外の機関や、会社、組織、個人の支援を働きかけました。イーさんの話です。

(テープ)

「老朽化した竹の橋の改修、または、新築を行うための費用は主に行政当局と現地住民から負担させることが一般的です。しかし、大きな橋の建設の場合は、支援者からの補助金を受ける必要がありますよ。そこで、私たちは、現地にある会社や社会組織などに寄付金を呼びかけます。多くの会社や経済グループ、お寺の社会慈善組織から巨額が寄せられましたよ。」

毎年、イーさんは、百回ぐらい、僻地や山岳地帯など竹の橋のある地方へ行って、それらの橋の状態を視察します。モカイバック(Mỏ Cày Bắc)県フォックミチュン(Phước Mỹ Trung)村人民委員会のチャン・クアン・カイ副委員長は次のように語っています。

(テープ)

「現地ではもう竹の橋は存在しませんよ。全てがコンクリートの橋になりました。イーさんはもう定年退職していますが、地元での橋梁建設事業に力を入れていますよ。現地住民らは、彼の功労を忘れないでしょう。」

イーさんは、2009年に、国家主席から「刷新期の労働英雄」という称号を授与された他、2017年には国の建設と刷新事業において立派な成績を収めてきたことで、ベトナム労働総連盟から表彰されました。イーさんの話です。

(テープ)

「毎年のように、少なくとも100回もわたって、竹製の橋の状態を点検するため省内にある全ての村へ行ってきます。改修、または、新設が必要とされる橋があれば、部下に設計図作りを指導します。また、建設工事中にも、建設現場をよく視察しました。今は、歳をとったものの、出来る限り、この仕事を続けたいと考えています。」

76歳のイーさんは、今なお引き続き、ベンチェ省農村部の交通発展事業に貢献しています。

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