ソクチャン省のクメール族の寺院

(VOVWORLD) -南部ソクチャン省にはベトナムの少数民族クメール族の人々が多く住んでいます。クメール族の人々は信仰生活を重視していることから、寺院はお坊さんたちが修行を行なったり、仏様を祀ったりする場所としてだけでなく、地元の人々の伝統的文化活動が行なわれる場所ともなっています。

ソクチャン省にはクメール族の寺院が99棟があります。有名な寺院としてあげられるのはカレン院、マートック寺、サーロン寺、ダットセット、別名、ビュソン(寶山)寺などがあります。

サーロン寺はソクチャン省の省都ソクチャン市の中心地から12キロ離れた所にあります。1815年に建立され、1969年から1980年まで再建工事が行われました。

ソクチャン省のクメール族の寺院 - ảnh 1

クメール建築の仏教寺院であるこの寺の特徴は壁一面に陶器のカケラがはめ込まれているということです。サーロン寺管理委員会のチム・チョット( Chim Chot) 委員長は次のように語りました。

(テープ)

「戦争中、このお寺は爆弾で破壊されました。僧侶と管理委員会は陶器のカケラ一個一個を拾って、正殿を再建しました。それ以来、このお寺がサーロン寺という名前の他、チェンキイエウという名が付けられました。その名前は、このお寺が陶器のカケラで装飾されていることを示しています。」

クメール族の他の寺院と同じように、サーロン寺には3つの屋根があり、派手な装飾です。お寺の壁には釈迦牟尼仏の人生を表わす多くの絵画が描かれます。正殿には大小20の仏像が置かれます。

カレン寺院はソクチャン省の最も古い寺院で、ソクチャン市マウタン通り71番地にあります。このお寺は高台に建立され、周りには多くのクメール族の特徴的な植物であるパルミラヤシが植えられています。寺院の玄関は色鮮やかで派手な模様が飾り付けられています。寺院の屋根には鳥のレリーフが施され、仏様と人間、及び、神様との関係を示しています。正殿にある柱には仏様の人生と仏事を表わす彫刻作品があります。真ん中には高さ6.8メートルの蓮の花の形をした台(蓮台)に座る仏像があります。

マートック寺はお釈迦様を祀るクメール族の唯一の寺院です。この寺院は400年以上の歴史があります。寺院の境内には約300万羽のコウモリが生息しているため、「コウモリ寺」とも呼ばれています。寺院にはクメール族の五音という伝統的音楽が響いています。五音音楽団の一員であるチン・ティン( Trinh Tien) さんは次のように語りました。

(テープ)

「チョール・チュナム・トメイ」 というお正月クメール族のお盆祭りであるドルター祭りなどの年中行事に、私たちは五音音楽を演奏します。これは先祖に対するクメール族に敬意を示しています」

コウモリ寺には現在もパルミラヤシに書かれた経典が保存されています。これらの経典は南部の信仰文化の独特な価値を示し、貴重な資料となっています。

ソクチャン省のクメール族の寺院 - ảnh 2

ソクチャン市ルオン・ディン・クア通りには粘土の意味を持つ「ダットセット」というお寺があります。これは唯一ベトナム風の建築様式をもつお寺です。このお寺は1906年、ゴー・キム・テイ( Ngo Kim Tay) という人によって建立されました。お寺には24本の柱があり、それぞれが粘土で作られた竜の形をとった浮き彫りがあります。現在、このお寺には粘土で作られた大小1991個の像が保存されています。クメール族の寺院は共同体生活に重要な意義を持っています。ソクチャン省ミーソン県ダイタム村に住むチャム・サイン( Tram Sanh) さんは次のように語りました。

(テープ)

「寺院はクメール族の文化生活、信仰生活を行なう場所です。祭りの日には、クメール族のだれもがお寺に行きお参りをします」

クメール族の寺院は伝統的芸術とクメール族の創造性を示していると言っても過言ではないでしょう。


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