ニンニクの島、リーソン島

(VOVWORLD) -リーソン島は、ベトナム中部のクアンガイ省にあります。ベトナム本土から東へ25キロの沖合にあって、クアンガイ省にある港から船で1時間ほどです。
ニンニクの島、リーソン島 - ảnh 1リーソン島にあるニンニク販売店 

リーソン島は、ベトナム中部のクアンガイ省にあります。ベトナム本土から東へ25キロの沖合にあって、クアンガイ省にある港から船で1時間ほどです。火山でできたとされる島でニンニク栽培が盛んです。年間を通じて暑く、大雨に見舞われたりと厳しい気候ですが、リーソン島の赤土と砂が独特のニンニクを作り出しています。島に住むお年寄りの話です。

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「昔、漁師が手付かずの自然が残るこの島にやって来ました。居住者の数は少なく、陸から離れた海の中の島なので、病気やいろいろな困難がありました。そこで、病気の治療や悪魔払いに効き目があると言われていたニンニクを育てることにしました。それがニンニク栽培の始まりです。リーソン島の気候と土壌がニンニク作りに適していて、ここならではの味を作り出しています。」

現在、リーソン島の面積およそ10平方キロメートルの3分の1がニンニク畑です。島に3つあるうちの2つの村は「ニンニク天国」と呼ばれています。

ニンニクの島、リーソン島 - ảnh 2

住民の話です。

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「島にある山の頂上から下を見ると、白砂のニンニク畑ばかりが見えます。畑は火山岩からできた天然の赤土に白砂を被せたものなんです。海から持ってきた白砂は、ニンニクの球根を大きくさせるだけでなくて、皮に光沢も出します。リーソン島のニンニクが、他にはない特別な香りを持つ理由です。」

ニンニクの島、リーソン島 - ảnh 3 ニンニクの収穫

育てるのにおよそ6ヶ月かかるニンニクは、年に1回しかとれません。そこで地元の人は、ニンニクの収穫後、玉ねぎ栽培を行います。通常のものとは少し違う、小ぶりの玉ねぎです。いわゆる二毛作になります。この玉ねぎとニンニクの栽培は、島の人たちにとって非常に重要なものになっています。これによって、多くの農家が豊かになってきたからです。

例えば、26ヘクタールのニンニクと玉ねぎ畑を所有しているある農家の平均年収は、およそ5億ドン、日本円でおよそ240万円強だということです。毎年、かなりの収穫量だそうですが、それも天候に左右されるので、大変なようです。栽培農家の話です。

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「この辺の天気は厳しいです。雨が降りすぎると、畑が浸水して収穫できなくなる時もあります。栽培中の手入れも丁寧にしなければだめです。害虫や苗の病気を発見したら、すぐに薬剤で対処しなくてはなりません。」

こういった苦労があって、リーソン島のニンニクはベトナム全土で有名な特産品になっています。特に、ベトナム語で「トイ・コー・ドン(Toi Co Don)」と呼ばれるニンニクは、ひと房だけの小さいニンニクです。栄養が豊富で、黒ニンニクにすると病気の治療に効果があると言われています。普通のニンニクだと一キロあたり7万ドン、日本円でおよそ350円程度ですが、トイコードンはその10倍の値段になります。非常に貴重なニンニクですが、人工的に作られるものではなく、あくまでも自然の恵みだということです。ニンニク農家の話です。

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「日差しと風が多い時期にニンニクが成長できなくなるので、房に分かれないで単独の状態になります。このニンニクは関節痛や心臓病などの予防や緩和に効果があるので、高い値段で売れています。トイコードンが取れる割合は、1つのニンニク畑で10%程度です。」

ニンニク栽培は天候が全てで、価格の下落というリスクを抱えながらも、リーソン島の島民は、それを続けています。ベトナム国内だけでなく、世界中でリーソンニンニクが愛用されるように、先祖代々伝わるニンニク栽培に取り組んでいるのです。

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