チュル族の婚約指輪

(VOVWORLD) - 少数民族チュル族の豊かな文化の一つとして、結婚習慣が挙げられます。その中でも、婚約指輪はチュル族にとって恋愛の証として大切にされています。

チュル族の人々は誰もが、年齢や性別を問わず、銀の指輪をつけています。その中でも、カップルや夫婦がつけている指輪は特別な意味を持っています。チュル族は母系社会で、結婚において女性は主体的な役割を担っていますが、銀の指輪は最も重要な持参品で、指輪を用意できなければ、結婚してはいけないということです。

チュル族の婚約指輪 - ảnh 1 チュル族の婚約指輪

銀の指輪は、恋愛はもちろん、夫婦の相互責任の表れでもあり、花嫁と花婿の家族の相互団結の証でもあります。カップルの指輪はいつも、男性と女性のペアで作られます。男性がつける指輪は「スラ」(Sra)といい、女性がつける指輪は「スリ」(Sri)と呼ばれます。チュル族が居住しているテイグエン地方の文化を研究しているルオン・タイン・ソンさんは次のように話しています。

(テープ)

「そのペアリングは恋愛の表れで、結婚にとって欠かせないものです。二人はいつもそのペアをつけていなければなりません。ひとりがしかつけないと、結婚がうまく行かないと信じられています。」

婚約の指輪はどうしてもチュル族の職人が作られなければなりません。巧みできれいな模様が施されている指輪を作るには職人たちの優れた技が必要です。指輪を作る職業は今も流行っており、この技術を身につけた若者が増えています。

チュル族の婚約指輪 - ảnh 2 婚約指輪を作っている職人

指輪を作るために、まずは、金型を作ります。金型は蜜蝋、粘土、水牛のフンでできます。職人たちは、蜜蝋を火で溶かし、指のサイズに基づいて蜜蝋の指輪を作った後、模様を施します。そして、蜜蝋の指輪を、水牛のフンと粘土と水から作られた液体に入れた後、1日ほど乾燥させます。その後、火で蜜蝋の指輪を溶かし、水牛のフンと粘土から作られた液体の乾燥したものが残ります。それが金型になります。溶けた銀をその金型に入れると、銀の指輪になります。その後、磨いたり、模様をきれいにしたりすると、仕上がります。

銀の指輪を作る有名な職人の一人ヤ・トゥアットさんは、この20年、この仕事をずっとやっているが、最初の指輪を作るまでには3年かかったと述べ、最も難しいのは金型を作ることであると明らかにしました。ヤ・トゥアットさんの話です。

(テープ)

「私は生涯にわたり、指輪を作る仕事をやっています。私は、この仕事をたくさんの若者に教えていますが、その中の多くの若者もこの仕事が好きで、今もなお、やり続けていますよ。」

銀の指輪はチュル族にとって最も大切な装飾品ですが、婚約の指輪はチュル族のよき伝統や豊かな文化をも物語るものです。

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