少数民族ジェチェン族とは


ベトナム中部高原地帯テイグエン地方のコントゥム省に集中的に居住している少数民族ジェチェン族の人口はわずか3万3千人ですが、文化が豊かな民族として知られています。

ラオス国境と隣接しているコントゥム省のダクグレイとゴックホイの2県に集中しているジェチェン族はラオスの東南部に居住しているタリエン族に似ています。ジェチェン族の言語は、ベトナム、カンボジア、ラオスに居住している各少数民族の約70万人が使っているバナ語派に属しています。


少数民族ジェチェン族とは - ảnh 1
ジェチェン族の祭り

ジェチェン族の唯一の社会単位は村です。村の村長は、威信が高く、経験が豊かで、そして、村に大きな貢献をしていた人です。村人は村のコミュニティ関係を大切にしており、村には掟がたくさんあります。

テイグエン地方に住む各少数民族と同様、ジェチェン族はどんなものにも魂があるという多神教を信じています。その中で、最高の神様は「ザン」(Giang)と呼ばれる天です。多神教ですから、天を祀る儀式、新築の儀式、新米の儀式など様々な儀式があります。そして、ジェチェン族の生活はタブーがたくさんあります。その中で、社会の発展を妨げるタブーもありますが、近代化の影響で、そのようなタブーはだんだん少なくなっています。ゴックホイ県ダクラン村に住むジェチェン族の一人ア・ベさんは次のように話しています。

(テープ)

「かつて、ジェチェン族はタブーがたくさんありましたよ。犬が子供を産む時や、親戚が死ぬ時、牛が死ぬ時などに、してはいけないということがたくさんありましたが、現在は、ほとんど無くなりました。」

ジェチェン族はよくないタブーを無くしている一方、伝統文化の保存に取り組んでいます。国と現地行政府の支援により、ジェチェン族の伝統的な祭りや習慣などは今も残っています。テイグエン地方に住む各少数民族の文化を研究している研究者ズオン・トン・バオさんは次のように語りました。

(テープ)

「ジェチェン族は今もなお、多くの文化や習慣を守っています。例えば、ディン・トゥット(Dinh Tut)という演奏です。この演奏は、6人の男性が女性の衣服を着て伝統的な楽器を奏でますので、とても魅力的です。そして、テイグエン地方に住む多くの少数民族と同様、ジェチェン族は、新米祭りや新築祭りなどいろいろな祭りがあります。これらは、現代生活の中でも守られていています。」

近年、コントゥム省の経済が発展するにつれて、ジェチェン族の人々の生産様式は変化しています。かつて、ジェチェン族は稲やトウモロコシしか栽培しなかったですが、現在、経済的価値は高いゴムやコーヒーも栽培しています。これにより、冷蔵庫やバイクはもちろん、車を持っている世帯が増えつつあるなど地元の人々の生活はかなり改善されています。しかし、ジェチェン族ならではの文化や習慣の多くは昔のまま保存されています。

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