黒タイ族女性のPieuという頭巾

(VOVWORLD) - ピエウは、女性の顔か心とも言われています。また、女性の民族衣服の欠かせない一部であるだけでなく、多くの信仰的な儀式では、 お供え物としても使われています。
黒タイ族女性のPieuという頭巾 - ảnh 1

ベトナム北西部に集中的に居住している少数民族タイ族には、黒タイ族と白タイ族があり、民族衣装は基本的に似ています。しかし、黒タイ族の女性の特徴をあげるとすれば、ピエウ(Pieu)という頭巾を抜きにして語ることはできません。それぞれの頭巾は異なった模様や色ありを持ち、その女性の考えや性格を表わしているからです。

現在、黒タイ族の伝統的衣装は日常の生産活動に合うように変化してきました。しかし、黒タイ族の女性にとって欠くことのできないものは頭にかぶる頭巾「ピエウ」です。ピエウは、女性の顔か心とも言われています。また、女性の民族衣服の欠かせない一部であるだけでなく、多くの信仰的な儀式では、 お供え物としても使われています。ソンラ市ボ村に住むホアン・ティ・マイさんは次のように話しました。

(テープ)

「頭巾「ピエウ」はタイ族にとってとても重要なものです。結婚する前に、女性は、花婿の両親と親戚への贈り物として少なくとも30枚のピエウを自分の手でつくらなければなりません。この頭巾は、女性の美しさをひきたたせるだけでなく、精神的にも重要な意義を持っています。夫婦の一人が亡くなったら、ピエウを2つの部分に切って、一つは亡くなった人の顔を覆い、もう一つは、まだ生きている人が保存します。その人が亡くなったら、その顔は残りの部分に覆われます。これは、あの世で互いに探しやすくて効果的です。」

黒タイ族女性のPieuという頭巾 - ảnh 2

こうした「ピエウ」は、子どもの頃から少女は祖母や母親から頭巾の模様の織り方を教えてもらいます。そのため、黒タイ族の女性は誰もがピエウを織ることができます。その頭巾をつくれない女性は怠け者と見なされます。また、一般の男性なら、そんな女性と結婚したくないです。ピエウを頭に巻くと、頭巾の色とりどりの巧みな模様は印象的であるだけでなく、その女性の顔の美しさを際立たせます。さらに、この頭巾は女性の才能と性格を評価する基準の一つでもあります。

頭巾ピエウはタイ族の人々の手先の器用さを示す織物の一つであり女性の手先の審美的見方を表わすものでもあります。頭巾の鹿、蝶々、鳥、象、トラ、月、樹木などの模様は生活に近い動物や植物ばかりです。

しかし、近年、現代生活の影響で、頭巾「ピエウ」をつくれない若者がいますので、ピエウの保存・開発を目指す取り組みが行われています。ソンラ市女性連合会のクアン・ティ・ヴィン会長は次のように話しました。

(テープ)

「私たちは、タイ族のこの独特な文化を保存・発揮するため、祭りなどで、ピエウづくりコンテストを行っています。これは、タイ族の女性にとって、ピエウづくりに関する経験を交換するよいチャンスです。また、コンテストを通じて、ピエウに対する若者の興味を芽生えさえ、その技術を若者に教えます。」

社会が大きく変化しているにもかかわらず、頭巾「ピエウ」を身につけることは依然として、黒タイ族の女性にとって誇りであり続きています。

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