ベトナム水産部門の困難

(VOVWORLD) - 年初から5ヶ月間、ベトナムの水産物輸出額はおよそ28億ドルに達し、昨年同期と比べ、10・4%増となっています。

国際社会への参入が進められている背景の中で、ベトナム水産部門にとって、輸出先の技術障壁や、競争の激化などは、今年の水産物輸出額を74億ドルにするという目標達成にマイナス影響を与えるものと見られています。これら問題解決は今年におけるベトナム水産部門の中心的な任務の1つとなっています。

ベトナム水産部門の困難 - ảnh 1              (写真:tongcucthuysan)

年初から5ヶ月間、ベトナムの水産物輸出額はおよそ28億ドルに達し、昨年同期と比べ、10・4%増となっています。アメリカや、日本、中国、韓国はベトナムの最大の輸出先であり続けています。

しかし、世界市場の変動や、アメリカの反ダンピング税、欧州と韓国、オーストラリアの厳しい食品安全衛生管理措置、関税障壁などはベトナム水産部門に多くの試練をもたらしています。それに加え、干ばつや、塩害、中部での海洋環境汚染問題なども原料供給源にマイナス影響を与えています。

こうした中、各企業は、気候変動対応や、存続のために経営生産モデルの刷新をせざるを得ない状態です。エコノミストのレー・ダン・ゾアイン氏はメコンデルタの企業を例として取り上げ、次のような見方を示しています。

(テープ)

「メコンデルタの企業と農家らは伝統的な生産方式をやめて、市場の要求や、契約に従って生産を行う方式にシフトする必要があると思います。つまり、契約を締結してから生産を始めるのです。一方、生産量ではなく、製品の品質を重視すべきです。生産モデルは気候変動の状況に見合うものでなければなりません。例えば、1キロのエビが20キロの稲に相当することから、現在の稲栽培の1年3期作の代わりに、2期作だけとし、残りの1期作はエビ養殖をするのは効果が高いと信じています。」

ベトナム水産物の中で、エビは主要品目と見られています。これは、最も高い競争力を受ける製品でもあります。輸出するために、ベトナム産エビは輸出先の関税障壁や、技術障壁、競争相手の高い圧力を乗り越えなければなりません。

農業農村開発省のブー・バン・タム次官は、「2025年をめどにエビ輸出額を100億ドルにするという目標へ向けて、水産部門は科学技術の導入、種子管理、餌供給、疫病予防対策などに力を入れる方針である」と明らかにしました。タム次官によりますと、輸出市場の拡大、各国の保護主義への対抗なども重要な任務となっているということです。

また、「2017年に、エビ産業発展計画案を展開するための行動計画を徹底的に実施する」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「エビ生産の効果向上のために、近代的科学技術の導入に力を入れます。また、現在のエビ養殖面積は14万ヘクタールですが、近いうちにさらに拡大させなければなりません。現在、1ヘクタールあたりのエビ生産量は4トンですが、今後、6トンないし8トンに高めます。さらに、企業からの投資を誘致し、エビ生産業の再構築のために、具体的な政策を実施します。」

2017年、水産部門は、エビや、チャというナマズなど従来の主要品目のほか、新たな品目も開発する方針を打ち出しています。正しい政策や、各企業と農民の努力、政府と科学界の支援などにより、水産物輸出額を74億ドルにするという今年の目標が達成できると期待されています。

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