「ルンクー旗の塔」ハザン省

ベトナム最北端にあるハザン省に足を運ぶと、だれもがその最北端を示す国旗が掲げられた「ルンクー旗の塔」にのぼってみたくなることでしょう。ルンクー旗の塔は海抜1700メートルにあるロンという山(龍の山)の頂にあります。この旗の塔にはいつもベトナム国旗が翻っています。長年来、この旗の塔はベトナムの国家主権を示す神聖な場所として知られています。

「ルンクー旗の塔」ハザン省 - ảnh 1

ルンクという頂の麓にはロロという少数民族の村があります。この村には400人が住んでいます。少数民族モン族の言葉には「ルン」というのはトウモロコシという意味で、「ルンクー」という名はトウモロコシの盆地という意味があります。しかし、ロロ族の人々の中には龍が住むこの山に関する伝説が伝えられています。この山の頂の西方に2ヶ所の水溜りがありますが、不思議なことはこの水溜りの水はこれまで乾いたことがありません。地元の住民はこれを「龍の眼」と呼びます。ロロ族の女性グェン・ティ・ホン( Nguyen Thi Hong) さんは次のように語りました。

(テープ)

「地元の住民はいつも生活用水の不足に苦しんでいます。龍もその苦境で心を動かしているから、天に飛び立つ前に、両眼をここに残しました。この眼がルンクーの頂にある2つの水溜りなのです」

しかし、「ルンクー旗の塔」について、他の説もあります。1789年、当時の皇帝であるクァンチュンは北からの侵略者を打ち破ってから、このロン山の頂に大きな銅製の太鼓を置き、国の主権を示すため、2時ごとに太鼓を3回打ちます。つまり、モン族の言葉にはルンクーという名前は「王様の太鼓の音」という意味だというのです。しかし、どんな解釈があろうと、ルンクー旗の塔はベトナム人にとって神聖な場所であることは変わりません。ホーチミン市の観光客ジェム・ミ ( Diem My) さんは次のように語りました。

(テープ)

「ここには『ハザン省ドンバン県ルンクー国旗の塔』という文字が書かれた石碑が置かれています。ここに立つと自然の壮大さと領土主権の神聖さを実感できます」

ルンクー旗の塔に行くにはまず、ロン山の麓から389の階段をのぼるとロン山の頂に着きます。塔の高さは約33メートル、塔の内側はらせん階段になっており、140のくねくね階段を上りきると、塔の最上部の展望台に着きます。ルンクー旗の塔はハノイにある国旗掲揚塔の建築様式とほぼ同じものです。

「ルンクー旗の塔」ハザン省 - ảnh 2


この旗の塔は建物は八角柱の塔で構成されます。この旗の塔が置かれた台にはベトナム文化のシンボルとされているドンソン文化の銅鼓の模様が刻まれます。ルンクー旗の塔にはベトナムの領土に住んでいる54民族を示す54平方メートルの金星紅旗が翻っています。一時帰国中に、ルンクー旗の塔を訪れたばかりのチェコ在留ベトナム人ザン・ティップ( Danh Tiep) さんは次のように語りました。

(テープ)

「ルンクー旗の塔には多くの面白さがあります。例えば、ここに掲げられているベトナム国旗の面積はベトナム54民族を象徴するものであることやこの塔がリートゥンキェット時代に建てられたものであることなどです。ここに来るとベトナムの歴史が理解できます」

ルンクー旗の塔からロロ族の村や棚田、シルクが流れているように見えるニョークェ川の流れ、峠など壮大な風景が一望できます。ここに来ると誰もがベトナムの美しい自然風景と領土の神聖さを実感することでしょう。

 

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