ベトナムとロシアとの経済貿易協力

11月末に行われたグエン・フー・チョン共産党書記長によるロシア訪問は両国の戦略的かつ全面的パートナー関係の強化に突破口を開いたと評されています。この訪問を機に経済貿易協力に関する9件の合意書が締結されました。

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この数年、ベトナムとロシアとの関係は前向きな発展を遂げています。2012年、両国は戦略的かつ全面的協力関係を構築し、各分野での協力関係の深化、拡大を狙っています。その中で、経済協力は優先課題に位置づけられました。先頃、ハノイで開催されたベトナム・ロシア政府合同委員会の会合で、ロシアのシュバロフ副首相は次のように語りました。

(テープ)

「ベトナムは従来からロシアのパートナーです。我々はベトナムを対外政策の優先対象の1つに位置づけています。両国が設定した優先課題は正しいと再確認し、その実現に取り組む必要があると思います。」

この2年、ベトナムとロシアとの協力関係は迅速に発展し、商取引額も急増しています。2012年にこの数字はおよそ38億ドルに達し、2013年はおよそ40億ドルとなりました。ベトナムはロシア向けに電話機、コンピューター、繊維製品、革靴、水産物を輸出している一方、ロシアに対し、石油ガス、銀行、貿易分野を中心に25億ドル相当の17件の投資プロジェクトを行っています。ロシアはベトナムに20億ドルを超える92件のプロジェクトを進めています。現在、ベトナムはロシア、カザフスタン、ベラルーシ3カ国の関税同盟とFTA=自由貿易協定の交渉を進めていますが、来年初めの締結を予定しています。これは両国間の製品の流通や、投資の促進、取引コストの軽減に便宜を図り、経済貿易協力の強化に寄与するとしています。

他方、両国は伝統的な協力分野であるエネルギー分野での協力を拡大し続けています。石油ガス合弁企業ベトソペトロ社が効果的な活動を見せる一方、設立されたばかりのラスベトペトロ(Rusvietpetro)社やガスプロムベト(Gazpromviet)社などはベトナム、ロシア、及び第3国での探査、試掘を進めています。特筆すべきはロシアはWTO=世界貿易機関への加盟に際し、市場の開放に厳しい姿勢を示すものの、ベトナムにロシアのいかなる所での石油ガスの開発や極東地域とシベリアの経済発展計画への参加を招待しています。また、双方は「第1ニントゥアン原子力発電所」の建設や原子力研究センターの設立を加速しています。

ところで、これまで、ベトナムとロシアはロシア向けの農・水産物、加工食品の輸出に関する複数の合意書を締結しました。ロシアは東方政策を実施している一方、東南アジアとアジアから農・水産物の輸入を強化しています。これはロシア向けのベトナムの農・水産物の出荷に機会をもたらすとみられます。ベトナム水産物加工輸出協会のチュオン・ディン・ホエ事務局長は次のように語りました。

(テープ)

「ロシア市場はロシア、カザフスタン、ベラルーシ3カ国の関税同盟の大きな市場の架け橋となっています。これはベトナム水産物の有望な市場です。ベトナムの農産物はロシアが輸入したいくつかの国からの農産物を代替しています。今後、ロシア向けのベトナムの輸出が強化されることでしょう。」

ベトナムとロシアは従来から良好な関係で結ばれています。今回のグエン・フー・チョン共産党書記長のロシア訪問は戦略的かつ全面的パートナー関係はあらゆる分野での協力を促進する基盤となることを再確認するものです。両国の経済貿易協力は新たな機会を迎え、切実な効果を収めるとしています。

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