2016年の日越関係

1)両国の首脳会見、訪問維持

2016年、ベトナムと日本は両国の首脳会見や訪問活動を維持しています。5月28日、G7伊勢志摩サミットの拡大会合の枠内と、9月7日、アセアン首脳会議と各関連会議に出席していたグエン・スアン・フック首相は日本の安倍首相と会見しました。両首相は定期的な相互訪問を維持し、政治的信頼を強化することで合意しました。さらに両国は、国家安全保障や経済、投資、医療、人材育成などの分野における協力を促進するとしています。今年は、日本の経済産業大臣、外務大臣、文部科学大臣、国土交通大臣がベトナムを訪問しました。一方、チン・ディン・ズン副首相やファム・ミン・チン越日友好議員連盟会長などのベトナムの指導者らが日本を訪問しました。

 

2)越日教育協力を促進

教育分野は2016年における越日協力関係の主軸でした。9月9日、ハノイにある越日大学の開校式が行われました。今年開校した越日大学大学院の修士課程は、6分野の教育プログラムで構成されていて、経験豊富な日本人教授が各分野につき、少なくとも50%の授業を担当しています。ベトナム、日本とアジア地域の各国の高度な人材を育成する越日大学は、ベトナムと日本の関係のシンボルになると期待されています。9月、ベトナムの5つの小学校で、3年生以上を対象とする日本語教育が試験的に導入されました。東南アジア地域の小学校で、第一外国語として日本語教育を行うのは、ベトナムが初めてとなります。また、ベトナム教育訓練省の統計によりますと、日本に留学しているベトナム人留学生は延べ38,000人に達し、ベトナム人留学生の総数の3割を占めるということです。

 

3)果物の輸出促進へ

2016年、ベトナム産のバナナやココナッツが日本におけるイオン・モールやドンキホーテにて、初めて販売開始となりました。また、ベトナム産マンゴーは、継続的に日本に輸出されています。ベトナム商工省の代表によりますと、ベトナム産竜眼(りゅうがん)の輸出に向けた動きも始まっているということです。一方、日本産リンゴはインティメックスやイオンモール、ユニマートなどのベトナムにおけるスーパーマーケットで販売されています。近年中に、日本産の梨もベトナム市場に輸入されると期待されています。

 

4)ベトナム人看護師・介護福祉士候補者、日本に派遣

470人のベトナム人看護師・介護福祉士候補者が、VJEPA=ベトナム・日本経済連携協定に基づき、日本に派遣されました。基本月給は13万円から15万円で、日本の看護師国家試験に合格したら、月給はおよそ2倍になります。来年4月からは、ベトナム人介護福祉士は日本の国家試験に合格すると、訪問介護も出来るようになります。現在、ベトナム人看護師・介護福祉士候補者は日本の各病院、医療施設で高く評価されているということです。今月15日、ベトナム労働傷病兵社会省は新しいコースを開設し、日本に派遣される看護師・介護福祉士候補者の育成に力を注ぎます。

 

5)観光分野でも協力促進

観光分野での協力体制も、今年、両国で重視されました。日本政府観光局の統計によりますと、今年1月から11月までに、ベトナムに訪れた日本人観光客は22万人に達し、前年同期と比べ、26パーセント増となりました。また、以前は、ベトナム人観光客は訪問先として東京や大阪、京都を選んでいましたが、現在は福島や茨城(いばらき)、岐阜といった日本の様々な地方にも訪れています。2月15日からは、ベトナム人向けのビザ緩和政策も導入されました。一方、ベトナム観光総局の統計では、今年1月から11月までに、日本に訪れたベトナム人観光客は67万7千人に達し、前年同期と比べ、10.5パーセント増となりました。ハノイやハロン湾、サパ、ホイアン、ホーチミン市などが、日本人観光客に人気があるということです。

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