アメリカのアフガニスタン新戦略

(VOVWORLD) - この新戦略が効果をあげるかどうかは疑問視されています。
アメリカのアフガニスタン新戦略 - ảnh 1 トランプ大統領

アメリカのトランプ大統領は21日、バージニア州で演説し、治安悪化が続くアフガニスタンでの対テロ戦を強化する新たな南アジア戦略を発表しました。「早急な撤退はテロリストがはびこる空白をうむ」と話し、関与を続ける方針を示しましたが、この新戦略が効果をあげるかどうかは疑問視されています。

トランプ大統領は演説で、米軍撤退後に過激派組織「イスラム国」(IS)が台頭したイラクのような「失敗を繰り返すわけにはいかない」と述べ、日程を設定せず状況が改善するまで対テロ戦を継続すると強調しました。

新戦略は仕方ないか?

オバマ前政権は完全撤退を目指してきたほか、トランプ氏自身も就任前は撤退に賛成していましたが、翻りました。演説で、トランプ氏は就任直後を振り返り、「私の直感は撤退だった」としましたが、状況を知り考えを変えたことを明らかにしました。

アフガンで長期化する駐留米軍の撤退を追い求めたオバマ前大統領は深入りを避けるため2014年末に戦闘任務の完了を宣言しました。駐留米軍の役割をアフガン治安部隊の訓練や指導を中心とし、対テロ作戦にもさまざまな制約を課しました。しかし、タリバンの攻勢でアフガン政府が支配下に置く地域が国土の6割以下に減少したことで、オバマ氏が目標とした2016年末の完全撤退は延期を余儀なくされました。

これに対し、トランプ氏は演説で、「これからは恣意的につくられたスケジュールではなく、現場の状況が米国の戦略を決める」と語りました。増派規模に関する判断はマティス国防長官に任せており、現地の治安状況に応じて柔軟に対応させる意向です。

新戦略への疑惑

トランプ大統領がアフガニスタンでの新戦略を発表したことを受け、(NATO)北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は、歓迎の声明を公表しました。ストルテンベルグ氏は声明で、これまで15カ国が支援強化の意思を示しているとし、「二度とアフガニスタンをテロリストにとって安全な場所としてはいけない」と述べました。

しかし、新戦略に対し、野党・民主党などから批判が出ています。アフガニスタンでは、これまでに2400人以上の米兵が死亡し、2万人以上が負傷しました。2002年以降、アメリカはアフガニスタンの外交や治安維持を支援するために1000億ドル以上を注ぎ込みました。

アメリカ国防総省は、アフガニスタンに派遣しているアメリカ軍の人数について、これまでの説明よりも2600人多いおよそ1万1000人だと修正するとともに、現地の治安の悪化に対応するため今後さらに増派する方針を明らかにしました。しかし、その効果は不透明だという意見が、多くの政治アナリストから出されています。

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