シリア情勢=解決策がまだない危機

ニューヨークで開催中の国連総会がシリア内戦について討論しているなど国際社会がシリア問題を解決するために努力している中、この国での暴力がエスカレートしています。国際世論は深い懸念を示しています。

シリアの首都ダマスカス中心部の政府軍司令部で26日朝、爆発があり、警備兵4人が死亡、市民を含む14人が負傷しました。ダマスカスにある政府軍の参謀本部の建物とその周辺で、この日、大きな爆発が2回あり、その後、銃撃の音が3時間にわたって続きました。この爆発について、政権側は、爆発から10時間以上経過してから、国営テレビを通じて被害の詳細を明らかにしました。それによりますと、2回の爆発はいずれも自動車に爆発物を積んだ自爆攻撃だったということです。同テレビは、爆発の瞬間を捉えた監視カメラの映像と破壊された参謀本部の建物内部の映像を放送しました。

シリア情勢=解決策がまだない危機 - ảnh 1

シリアでは、首都ダマスカスの郊外や北部の主要都市アレッポなどで、政府軍が反政府勢力を支援する住民に対して、戦車や戦闘機を使って無差別な攻撃を続けているとの情報もあります。ダマスカスにいる反政府勢力の活動家によりますと、26日、首都郊外の町ゼヤビヤで、政府軍と政権支持派の民兵が住民たちに無差別に発砲し、これまでに少なくとも75人の遺体が路上や住宅の中などで見つかったということです。反政府勢力側は、政権による市民の虐殺があったと非難を強めています。

一方、イギリスを拠点にシリア国内の状況を監視している人権団体は、26日、シリアで反政府運動が始まった去年3月以降の死者が3万人を超え、このうち一般市民が2万人を上回ると発表しました。

シリア情勢=解決策がまだない危機 - ảnh 2

シリア情勢を巡って関係国との協議を進めるブラヒミ特別代表は、24日、「遠くない将来、打開策を見つけられる」と述べましたが、暴力を止める具体策は見つかっていないのが実情で、市民の犠牲に歯止めがかけられない深刻な事態が続いています。

こうした中、国際世論は「シリア内戦は解決策がない危機となる」との懸念を示しています。

ご感想

他の情報