ダボス会議をめぐる問題

(VOVWORLD) - 22日から25日まで、スイス東部ダボスで、世界の政財界の指導者が地球規模の課題を話し合うWEF=世界経済フォーラム年次総会(いわゆるダボス会議)が開催されています。今年のテーマは「グローバリゼーション4・0」です。しかし、今回は世界の幾人かの有力者が欠席していることなどから、目標が達成できるかどうかは不透明となっています。
ダボス会議をめぐる問題 - ảnh 1          (写真:VNA)

ダボス会議2019は世界情勢が不安定し、予断できない状態にある中で開催されています。

経済と政治問題の浮上

ダボス会議2018から、世界の貿易と外交分野では多くの問題が浮上してきました。それぞれの国の中での問題でも、そのような不安定さが増す中、気候変動問題、保護主義の台頭、ナショナリズムの高揚による地域問題、テクノロジーの進化にともなうデータの寡占化など、解決策が見つからない多くの世界的問題が増長しています。

特に、アメリカと中国の貿易戦争や、アメリカ政府機関の閉鎖、イギリスのEU=欧州連合離脱は深刻な問題とみられています。また、欧州でのポピュリズムの台頭や、世界規模の保護主義、フランスでの抗議デモなども世界情勢に悪影響を与えています。

他方、サイバーセキュリティ問題や、環境汚染、ジオポリティクスの変化なども深刻化しており、世界に大きなリスクをもたらしています。最近、WEFは報告を発表し、その中で、「グローバルなリスクが高まっているが、これらに対応するための国際共同体の努力は不十分」と指摘しています。

グローバル化を促進するか

こうした中、今年の会議には、世界のおよそ110か国から3000人を超える政財界のリーダーたちが参加しており、世界が大きな転換点を迎える中で新たな国際社会の在り方について議論が交わされることになっています。

ダボス会議をめぐる問題 - ảnh 2      総会に出席したフック首相

しかし、アナリストらは、今総会に期待をかけていません。会議は今月25日まで4日間行われますが、アメリカのトランプ大統領が政府機関の一部閉鎖が続いていることを受けて欠席したほか、イギリスのメイ首相とフランスのマクロン大統領も国内問題の対応のため、直前になって出席を取りやめる事態となっています。

中国とインドの首脳も参加していません。したがって、米中貿易戦争など今総会の際に解決策が見出される複数の問題の行き詰まりの状態がそのまま続いています。

アナリストらによりますと、世界は不安定かつ不透明感を増しています。そして、これから、さらに厳しい局面に突入する見通しです。ことしの会議は、AI=人工知能などの新たな技術革新によって、世界が大きな転換点を迎え、さまざまな困難に直面しているという認識のもとに、新たな国際社会の在り方について活発な議論が交わされることになっていますが、期待通りの結果を収めにくいと悲観視しています。

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