トランプ米大統領の初の外遊の目的とは

(VOVWORLD) - トランプ大統領の「アメリカファースト」という外交政策がよくあらわれています。

アメリカのドナルド・トランプ大統領は、就任後初の外遊となる中東・欧州を歴訪中です。トランプ大統領は、出発する前、同盟国との連携を強化し、テロとの戦いを促進させるとの考えを示しました。

 トランプ米大統領の初の外遊の目的とは - ảnh 1 トランプ大統領(写真:AFP)

イスラム世界との連携

トランプ大統領は8日間の日程でサウジアラビア、イスラエル、パレスチナ自治区、バチカン、ベルギー、イタリアを歴訪しています。その中で、サウジアラビアを初の外遊先と選んだのは異例だと見られています。

トランプ氏は4日の演説でサウジ訪問について「過激主義やテロ、暴力と戦うイスラム諸国との協力の新しい基礎を築き始める」と表明しました。次の訪問先はイスラエルです。イスラエルでネタニヤフ首相と会談し、中東和平問題を協議しました。その後、パレスチナ自治政府のアッバス議長とも会うほか、バチカンではローマ法王と会談します。

サウジアラビアはイスラム教、イスラエルはユダヤ教、バチカンはカトリック・キリスト教の中心地です。ホワイトハウス高官は「過激主義の打倒に向け、異なる宗派を団結する」などと狙いを語りました。一方で、トランプ大統領のイスラム圏からの入国禁止令をめぐって反発も出ていますが、トランプ大統領は、テロとの戦いは「異なる宗派や文明の戦いではなく、善と悪の戦いだ」と強調しました。

中東和平プロセスを促進

トランプ大統領は、イスラエルではオバマ前政権で冷え込んだ同盟関係を立て直すとともに、ネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長と相次いで会談することで、その間を取り持って、中東和平交渉の再開という大きな外交的な成果に向けた糸口を探りたい思惑もあります。

トランプ氏はイスラエルのネタニヤフ首相との会談後、「イスラエルとの壊れることのない絆を再確認した」と語り、中東和平について「最も難しいディール(取引)だと聞いている。だが、最終的には達成できると感じている」と展望を示しました。

中東和平は、歴代米大統領が仲介に失敗し、オバマ前政権下の2014年に交渉が頓挫したままです。トランプ氏は、中東和平交渉を促進させることで、トランプ政権の外交をピーアールするのが狙いだと見られています。

出発前トランプ大統領は「アメリカの国益を強固に守る」とツイートしました。今回の歴訪はまだ終わっていないものの、「アメリカファースト」という外交政策がよくあらわれています。

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