ドイツのギリシャとの関係

ドイツのギリシャとの関係 - ảnh 1
メルケル首相とチプラス首相(写真:Getty)

23日、ギリシャのチプラス首相は今年1月の就任以来初めてベルリンを訪問し、ギリシャに対する最大の支援国であるドイツのメルケル首相と会談しました。
この訪問に先立つ22日、ギリシャのコジアス外相はドイツを訪問し、シュタインマイヤー外相と会談を行ないました。会談後の発表で、シュタインマイヤー外相は「ドイツとギリシャは欧州規模の問題解決が両国関係の良好な基礎を左右させないように取り組む」と強調しました。また、双方は、両国間の大きな潜在力の推進、及び相互理解の向上に向けた決意を示しました。

外交的発言

チプラス首相とメルケル首相は会談後の記者会見で、次の段階における大規模な具体的な協力方向を提出しませんでした。メルケル首相は両国の緊密な友好関係の重要性だけưお強調すると共に、相互信頼という基礎に基づく両国協力関係を望みたい意向を示しました。その一方で、チプラス首相は両国政府の相互信頼の向上に対する今回のドイツ訪問の重要性を強調すると同時に、対話は現在の困難を乗り越える唯一の措置であるとの見解を明らかにしました。

対立が先鋭化

チプラス氏率いる急進左派連合は野党時代、緊縮策の履行を迫るドイツを強く批判しました。両国の世論で対立感情が強まっています。チプラス首相は会談後の共同記者会見で「過去5年にわたる支援プログラムはギリシャ経済に悪影響をもたらした」と述べ、これまでの緊縮策を批判したうえで、今後、新たな改革を実施する考えを示しました。

一方、メルケル首相は「我々はギリシャ経済が力強さと成長を取り戻し、高い失業率を改善することを望んでいる」と述べ、構造改革や財政再建を継続するよう求めました。
EU=欧州連合などからの支援の前提となっている緊縮策の内容などを巡って、両首相は、立場の違いを認めつつも、対話を通じて打開を図る考えを強調しました。
ギリシャでは、税収の低迷に加え債務の返済期限などが迫るなか資金繰りが厳しさを増しており、このまま金融支援が得られなければ来月上旬にも資金不足に陥るとの報道も出ており、ギリシャの先行きへの懸念は払拭されていません。

イギリス紙『フィナンシャル・タイムズ』によりますと、チプラス氏は今月15日付のメルケル氏宛ての書簡で「EUからの金融支援を数週間以内に受けられない場合、 4月末までに債務の返済が不可能になる」と窮状を訴えました。しかし、チプラス氏は共同会見で「我々はギリシャと欧州にとって利益となる解決策を共に探してい る」と述べるにとどめ、メルケル氏も「あくまでユーロ圏として判断することで、ドイツは決定する立場にない」と支援問題には踏み込ませんでした。一方、第二次世界大戦中にナチスの占領によってギリシャが受けた損害について、チプラス氏は「これは倫理的、道徳的なテーマだ。財政危機とは無関 係だ」と述べ、ドイツへの賠償請求問題を議論したい考えを示しました。これに対しメルケル氏は「補償は政治的、法的にも解決済みだ」と従来のドイツ政府の立場 を繰り返し、歴史認識問題では依然として溝があることを示しました。

 

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