ベトナム・シンガポール戦略的パートナーシップを深化

ベトナムのグエン・スアン・フック首相の招きに応え、シンガポールのリー・シェン・ロン首相夫妻は21日、ベトナム公式訪問を開始しました。この訪問は、両国関係が良好に発展している中で行われるもので、両国の戦略的パートナーシップの進化に貢献すると期待されています。

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シンガポールのリー・シェンロン首相

ベトナム・シンガポール関係の良好な発展

ベトナムとシンガポールの外交関係は1973年8月に8月に樹立されました。それ以来、両国関係は良好に発展しています。特に、ベトナムが1995年にASEAN東南アジア諸国連合に加盟して以降、両国関係は新しい発展段階に入りました。2004年、両国は、「21世紀の全面的協力枠組みに関する共同宣言」を締結し、両国関係の更なる発展に法的基盤を作りました。また、2013年9月、両国の外交関係樹立40周年、及び、リー・シェンロン首相によるベトナム訪問を機に、両国はベトナム・シンガポール戦略的パートナーシップの樹立に関する共同宣言を発表しました。

両国の貿易関係も著しい発展を見せています。貿易総額は増加傾向にあり、2016年は70億ドルにのぼっています。また、シンガポールの対ベトナム直接投資は1998年以来20年連続して増加しています。その投資総額は390億ドルにのぼっており、これにより、シンガポールはベトナムに投資している国と地域の中で3位に立っています。シンガポールの投資によって建設されたベトナム・シンガポール工業団地はベトナム全国各地に7ヶ所あり、工業団地の模範となっています。両国の経済関係について、シンガポール駐在ベトナム大使館のグエン・ティエン・ミン大使は次のように語りました。

(テープ)

「ベトナムとシンガポールの経済はお互いに補完性があるので、協力の潜在力は大きいです。シンガポールは、資本、市場経済と経済発展に関する経験を持っているのに対し、ベトナムは人材、資源が豊かで、有利な地理的位置にあるのです。そのため、両国は、互助的経済関係を発展させることができると思います。特に、ASEAN経済共同体や東アジア地域包括的経済連携などが展開されることから、経済協力を拡大する余裕は大きいです。」

経済、貿易、投資のほか、教育、医療、文化、観光などの分野においても両国の協力は印象的な成長を見せています。2016年、ベトナムを訪れたシンガポール人観光客は26万人にのぼり、前年と比べて8.7%増になっています。また、両国は、ASEAN東南アジア諸国連合や、APECアジア太平洋経済協力会議、ASEMアジア欧州会議など国際場裏で緊密に連携しています。そして、ベトナム東部海域(南シナ海)問題を含む地域の安全保障問題についてベトナムとシンガポールは協力してASEANの共同立場を守っています。

ベトナム・シンガポール関係の新しい節目

シンガポールのリー・シェンロン首相による今回のベトナム訪問を機に、双方は、両国の戦略的パートナーシップを深化させるための方向と具体的措置について話し合う予定です。特に、第4次産業革命と多国間フォーラムが進められている背景の中で、両国の協力はそれぞれの国の発展だけでなく、地域の平和・安定・繁栄に寄与すると見られています。先ほどのグエン・ティエン・ミン大使は次のように語りました。

(テープ)

「両国の今後の協力チャンスは大きいと思います。ベトナムとシンガポールの協力は二国間だけでなく、アジア太平洋地域全体、並びに、ASEAN地域などより広い空間でも拡大するでしょう。」

さらに、リー・シェンロン首相の今回のベトナム訪問は、両国の政治的信頼を強化するもので、両国関係にとって新しい節目になると期待されています。


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