国連の対朝鮮制裁措置の影響


既にお伝えしましたように、国連安全保障理事会は11月30日、朝鮮民主主義人民共和国に対する新しい制裁決議を採択しました。これは最も強固な動きで、同国が地域情勢を緊張化させる行動を自制し、6者協議に戻るために十分な圧力を加えるものと評されていますが、これは容易ではないとされています。


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安保理が全会位置で決議2321号を採択(写真:ロイター)

安保理の決議2321号は朝鮮民主主義人民共和国の5回目の核実験を糾弾するもので、全会一致で採択されました。安保理が朝鮮に対する制裁決議を出すのは今回が6回目です。


制裁内容

決議では、朝鮮民主主義人民共和国が輸出し収入を得てきた石炭について、国連の加盟国が北朝鮮からの年間の輸入量を750万トン以下か、輸入額で4億ドル以下のいずれか低い方に制限するとしています。

また、銀や銅、ニッケルなどの鉱物については朝鮮からの輸入を全面的に禁止するとしています。さらに、決議は、朝鮮と取り引きのある外国企業に対し、朝鮮国内に所有する事務所や銀行口座をすべて閉鎖することや、こうした企業に対する金融支援を禁止することが規定されています。

そのほか、各国に対して自国で活動する朝鮮の外交官の数を減らし、銀行口座を1人1口座に限ることを定めています。アメリカのパワー国連大使は記者団に対し、「安保理が近年決定したいかなる制裁よりも厳しいものだ」と決議の意義を強調しました。


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朝鮮が5回目の核実験を行った場所とされる地域(写真:EPA)

一方、日本の安倍首相はコメントを出し、「今回採択された決議は、国際社会がこれまでと全く異なる新たな次元の厳しい対応を取ることを国際社会の意志として明確に示したものだ」としています。


朝鮮半島での非核化を目指す決議

安保理は2006年からこれまで何度も制裁決議をしてきましたが、朝鮮民主主義人民共和国の核・ミサイル開発は止まりませんでした。統計によりますと、今年だけで、同国は2回にわたり核実験を、そして、25回にわたりミサイル発射実験を行いました。

これに関し、パン・ギムン国連事務総長は、「これは、かつてないほど多い実験件数で、地域安全保障と核不拡散体制を脅かすものである」と批判した上で、各国に対し、この決議を厳格に履行するよう呼びかけました。

国連の外交筋によりますと、一連の制裁が実施されれば、朝鮮民主主義人民共和国の年間の外貨収入は全体の4分の1近くにあたる8億ドル減ると見られていて、今後、国際社会が結束して朝鮮の核やミサイルの開発を封じ込めることができるのかが注目されます。


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