新時代におけるアジア太平洋地域の貿易・経済統合


先ごろ、アメリカのASPI=アジア協会政策研究所は、「アジア太平洋地域の貿易・経済統合のロードマップの制定」と題する報告書を発表しました。その中で、「アジア太平洋地域を含め全世界の貿易が多くの試練に直面している背景の中で、地域統合の新しい方向を探る必要がある」と指摘しています。


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報告書の発表式典(写真:VNA)

世界貿易の減速、既存の貿易協定が貿易の発展に追いつかないこと、イギリスのEU=欧州連合離脱とアメリカのTPP=環太平洋経済連携協定離脱が証とされる貿易自由化とグローバル化に対する人々の疑問視と反対。これらは、アジア太平洋地域の貿易政策が変化せざるを得ないことに繋がっているとしています。


地域の国際社会への参入の新しい方向の模索

実際、世界情勢の変動はアジア太平洋地域に多大な影響を与えています。こうした中、世界のGDP=国内総生産総額の60%と貿易総額のおよそ50%を占めるアジア太平洋地域は自らの役割を果たすために新しい対応策を定める必要があります。

これに関し、この報告書は、アジア太平洋地域諸国の政策制定者に対し、各自由貿易協定の質的向上を地域の経済統合を促進するための方法として見なし続けるよう提案しています。中でも、それぞれの国の改革事業や、二国間と多国間の協力へのTPPの基準の適用や、RCEP=包括的経済連携協定に関する交渉の基準の格上げ、APECをはじめ多国間フォーラムを通じての貿易自由化の追求などを進めていく必要があると訴えました。

2016年末、ペルーで開催されたAPEC首脳会議で、参加者らは貿易自由化の堅持を再確認するとともに、「アメリカのTPP離脱は貿易自由化プロセスに大きな影響を与えない」との見方を示しました。


新しい選択肢

現在、多くの国は、TPPの代わりに、他の自由貿易合意を探っています。その中で、ASEAN加盟10カ国や、日本、中国、ニュージーランド、オーストラリアが参加しその交渉が今年末に終わる見通しであるRCEPは効果的なものと見られています。

TPPは、経営条件や、基準、知的所有権保護など先進国の重要な課題に集中している一方、RCEPは税減免や、サービスの自由化を優先課題と見なしています。エコノミストらによりますと、RCEPは差別待遇がありません。加盟したい国々が商品貿易を100%自由化させなければならないという基準の適用はその証です。

これは貿易の円滑化と協力の強化に寄与するとしています。現在、TPPの交渉から除外された中国はそのチャンスを活用して、独自の貿易合意を探っていますが、RCEPのほか、APEC加盟21カ国が参加するアジア太平洋貿易自由圏の促進に力を入れています。

さらに、報告書は、「グローバル化が進められている背景の中で、世界最大の経済国アメリカが保護主義にシフトすることは、世界の貿易にマイナス影響を与える」とも指摘しています。こうした中、アジア太平洋地域は世界経済の機関車としての役割を果たし続ける必要があります。そして、140件のFTAとRCEPのような貿易円滑化プロジェクトなどを持つAPECは重要な協力枠組であり続けるとしています。

 

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