米ロ首脳会談をめぐる問題

(VOVWORLD) - 既にお伝えしましたように、アメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領は7月16日にフィンランドの首都ヘルシンキで会談する予定です。両国関係が冷戦後最悪状況に陥っている中で行われるこの首脳会談が山積している問題を解決し、関係改善と将来の関係づくりに役立つかどうかが焦点となっています。

トランプ氏がアメリカ大統領としてプーチン氏と会談するのは今回が初めてです。そして、アメリカ・ロシア首脳会談は2009年から9年ぶりのことです。

米ロ首脳会談をめぐる問題 - ảnh 1

課題が山積する関係

米ロ関係は最も複雑なものといえます。政治体制の相違点や、軍事的矛盾などにより、信頼関係づくりは難航しています。特に、この10年間、両国の間には多くの問題が発生しています。中でも、ロシアのクリミア半島編入とシリアへの介入、米ロ外交危機などがあります。また、核兵器削減や、ミサイル防衛システムなどをめぐる論争も激化しています。

それらは、両国の関係悪化に繋がりました。トランプ政権が発足してからも、両国関係は改善の兆しを見せていません。今年4月から、アメリカは、経済、貿易、金融などの分野で、ロシア制裁措置を強化しています。イギリスでのロシアの元スパイのセルゲイ・スクリパリ氏の毒殺未遂事件に関しても、アメリカはロシアに反対する外交的争いにおいて先頭に立っています。

一方、ロシア側もアメリカや、アメリカと共にロシア制裁に参加している国々を対象に、対抗措置をとっています。従って、双方間の報復措置は頻繁に行われています。しかし、実際、両国は国益のために、関係を改善せざるを得ない状態にあります。従って、両国は、緊張関係をコントロールできる範囲内に抑えなければならないといえます。

首脳会談は突破口を切り開けるか

今月16日にヘルシンキで予定されている首脳会談のために、双方は複数の活動を行ってきました。そのなかで、トランプ大統領がロシアとの関係改善への支持を表明し、直接対話を両国間の問題解決のための最良の手段として見なしていることは積極的な兆しと見られています。

これをもとに、双方は、非常に重要な意義を持つとされるこの首脳会談へ向けて、準備作業を積極的に進めています。しかし、アナリストらは「この首脳会談は象徴的な意義を持つものに過ぎない」と分析しています。というのは、会談で、両首脳は、クリミアや、シリアなど複雑な問題ではなく、緊張緩和策を集中的に協議するからであると指摘しています。

また、ロシア側が西側諸国の制裁緩和を目指していることから、アメリカはこれを利用して、ロシア側に対し、イランへの圧力を加えるよう要請する可能性が高いとしています。

これらの動きから見ると、今回の首脳会談はすべての問題を解決できないと予測されています。最も重要なことは、この会談が両国間の冷え込んだ関係を緩和するための基礎になるということです。

関連ユース

ご感想

他の情報