米中貿易戦争の影響

(VOVWORLD) - この数ヶ月間続いているアメリカと中国との貿易摩擦は全世界の市場にマイナス影響を与え始めています。証券市場の低迷とともに、多くの国は通貨価値の低下に直面しています。長期的には、米中貿易戦争は世界経済の成長を脅かすものと懸念されています。

エコノミストらは、「米中貿易戦争が長引くと、世界経済とグローバル化プロセスは多くの被害を受けるほか、多くの国がその戦争に巻き込まれることにも繋がる」と指摘しています。

市場への悪影響

実際、中国や、インド、インドネシア、ミャンマーなどの通貨安の問題に直面しています。6月から、インドのルピーの価値は過去最低水準に低下しています。また、中国の人民元も3・2%下がりました。こうした中、アジア諸国に投資しようとする投資家は慎重な姿勢を示していますが、これも各国の通貨価値のさらなる低下に繋がる原因と見られています。

米中貿易戦争の影響 - ảnh 1              (写真:AFP)

特に、韓国は米中貿易戦争から最大の被害を受ける国の1つとなっています。というのは、米中両国は韓国の最重要な貿易相手国だからです。 韓国貿易協会国際貿易研究院はこのほど、米中貿易戦争によるGDP=国内総生産への影響を国・地域別に比較しました。

それによりますと、米中が互いに500億ドル相当の輸入品に25%の関税を適用した場合、両国の経済成長鈍化で韓国のGDPも年0.018%減少すると試算されました。金額に換算すると、3649万ドルに相当します。今回の分析は、米中のGDPが制裁関税の影響でそれぞれ0.1%、0.2%減少することを前提としています。しかし、韓国は最大な被害を受ける国ではありません。最も深刻な被害を受けるのは台湾です。次いで、韓国、カナダ、メキシコ、アイルランドなどの順となっています。

対応策

韓国貿易協会は、「米中貿易戦争が長期化すれば、韓国の輸出に大きな打撃が予想されるため、被害を最小化するための政府と企業によるさまざまな対応が必要だ」と強調しています。

アメリカが中国による先端技術確保をけん制している状況を韓国の産業技術高度化の機会にすることや、アメリカの追加的な貿易制裁に備え、EU=欧州連合や、日本などとの通商協力を強化することを提言しています。こうした中、米中両国の事務レベル貿易協議が22日からアメリカで開かれます。

そして、トランプ大統領と習近平(シュウキンペイ)国家主席は今年11月にパプアニューギニアで行われるAPECフォーラムの際に会合する予定です。しかし、アナリストらは、「双方の主張は依然として隔たりが大きく、摩擦解消につながるかは不透明だ」と悲観視しています。

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