米国のトランプ次期大統領が直面する試練

アメリカのトランプ次期大統領の就任式が20日正午(日本時間21日午前2時)行われます。第45代アメリカの大統領になるトランプ氏は政治、経済など多くの分野における試練に直面することが予測されています。


米国のトランプ次期大統領が直面する試練 - ảnh 1
アメリカのトランプ次期大統領
(写真;TTXVN)

トランプ次期大統領は外交分野において、ロシア、中国、EU=欧州連合との関係や、自由貿易協定、シリア問題などに関する多くの困難に直面します。

ロシア、中国、EUとの関係

アメリカとロシアとの関係は2014年、ロシアがウクライナ南部・クリミア半島の編入を一方的に宣言してから、緊張情勢になってきました。アメリカ大統領に当選してから、トランプ時期大統領は幾度もロシアとの関係改善への希望を表明しました。また、トランプ氏は新国務長官のポストに石油会社エクソン・モビールのCEO「レックス・ティラーソン」を選びました。この人物は「アメリカ経済界で親ロシア派の者である」と言われています。一方、先頃 トランプ次期大統領は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、オバマ政権がロシアに科した制裁について、ロシアの対応次第で解除する意向を示しました。

中国との関係について、トランプ時期大統領は経済、貿易、サイバーセキュリティーなどの面で多くの困難に直面することが予測されています。この前に行われた大統領選挙戦で、トランプ氏は「中国からの輸入品に45%の関税をかけろ」ということを主張しました。しかし、実際、これを実現することは容易なことではありません。ニュー・アメリカ財団上級研究員でありイギリスの著作家アナトール・リーベン氏は「アメリカはアメリカ労働者と企業の利益を保護するため、中国との新型大国関係を構築する以外の選択肢は何もない」との見解を示しました。中国の経済成長率が鈍化している背景の中で、これを実現するのは難しくなることから、アメリカはいくつかの妥協を受け入れる必要があります。政治面において、トランプ氏は昨年末、台湾の蔡英文(さいえいぶん)総統と電話で会談しました。アメリカ大統領として台湾の指導者と電話会談を行ったのは1979年以来のことです。これはアメリカと中国との外交的な緊張が高まる可能性があるとされています。

一方、EUとの関係は順調なものとはいえません。数日前、トランプ次期大統領はドイツ紙「ビルト」とのインタビューで、NATO=北大西洋条約機構は時代遅れだと指摘するとともに、イギリスのEU=欧州連合離脱に他のEU加盟国も追随するだろうと予想しました。インタビュー発言は、トランプ氏が大統領選の公約を維持することはほぼ確実であり、長年のアメリカ外交政策の一部を転換させる可能性を示唆します。自由貿易や難民問題、安全保障、世界でのEUの役割などをめぐり、ドイツのメルケル首相と根本的に意見が食い違うことを示しています。

シリア、及び、協力合意書

トランプ氏がアメリカの大統領になる時、シリア内戦は6年目になります。アメリカ大統領選に向けた運動期間中、トランプ氏は「シリアのアサド政権と戦っている反体制派に対する支援を終わりにしたい」ということ、さらに、「アメリカはシリア反体制派支援の代わりに、過激派組織「イスラム(IS)」との戦いに全力を注ぐべきだと主張している」と言明しました。また、トランプ氏は世界的なテロとの戦いを優先する姿勢を示しています。

トランプ氏はアメリカ第一主義の政策として、TPP= 環太平洋連携協定からの離脱、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉、製造業のアメリカ回帰を促す「国境税」の導入、貿易不均衡の是正要求を表明してきました。

アメリカ選挙で劣勢予想を覆えして歴史的勝利を収めたトランプ氏は外交問題の解決に成功するでしょうか?これは世界第一の経済大国の大統領にとって簡単な任務ではないでしょう。

ご感想

他の情報