9月26日から一週間の主な国際ニュース

* 先週、アメリカのケリー国務長官は、停戦合意が破綻状態にあるシリア情勢の打開に向けたアメリカ・ロシアの協議について、「停止する寸前まできている」と述べ、「新たな選択肢」を検討していると表明しました。シリア北部アレッポで、アサド政権軍とロシア軍による反体制派地域への空爆が激化していました。ワシントンでの会合で、ケリー氏は「空爆が実施されているのであれば、真剣に協議するのは不合理だ」とロシアを批判しました。国務省によりますと、ケリー氏はロシアのラブロフ外相と電話協議し、停戦合意の「脆弱さ」を話し合いました。

* 先週、コロンビアでは、反政府ゲリラ組織「FARC=コロンビア革命軍」と政府との内戦で過去50年余りの間に市民を含む20万人以上が犠牲になっていました。コロンビア政府は4年近くにわたる交渉の末、FARCとの和平合意をまとめ、先週、合意文書に署名しましたが、合意内容への賛否を問おうと、2日、国民投票を実施しました。開票は最終盤に入っていましたが、開票率99.54%の時点で、反対は641万9759票、賛成は635万9643票と反対が賛成をおよそ6万票上回り、地元のメディア各社は、和平合意が否認される見通しだと伝えていました。

* アメリカ大統領選挙の候補者同士による初のテレビ討論会について、民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補はそれぞれ自分が勝利したと主張しましたが、アメリカのABCテレビは、世論調査の結果、クリントン氏が圧勝したと伝えました。

* 2014年に乗員乗客298人が死亡したマレーシア航空MH17便の墜落について、オランダ主導の合同捜査チームは先週、オランダで記者会見し、ウクライナの親露派反政府勢力が支配する地域から発射された地対空ミサイル「ブク」によって同機が撃墜されたと断定しました。ロシア外務省は捜査への不信感を改めて示しました。ザハロワ報道官は捜査結果への失望を示すとともに、「捜査には偏りがあり、政治的な意図が働いている」と述べました。ロシア大統領府のペスコフ報道官は28日の電話会議で「全面的な捜査を望んでいる」と説明しました。

* 先週、ハンガリーで、EU=欧州連合加盟国が難民を分担して受け入れることの是非を問う国民投票が行われました。開票の結果、反対票は有効票の98%以上に上ったものの、投票率は40%と国民投票の成立に必要な50%に届かず、投票は無効となりました。

* 先週、イギリスのメイ首相は、EUからの離脱に向けた交渉を来年3月末までに開始すると表明しました。イギリスからの正式な通告によって、来年第1四半期にEUの基本条約「リスボン条約」の第50条が発動され、英以外の加盟27カ国との間で2年間の離脱交渉が始まる見通しです。

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