スリランカ爆破事件、太平の時期を破る

(VOVWORLD) -スリランカで、現地時間の21日、最大都市コロンボとその郊外などにあるホテルとキリスト教の教会、合わせて6か所でほぼ同時に爆発がありました。

3つのホテルは外国人が多く泊まる高級ホテルとして知られ、3つの教会ではキリスト教徒たちが復活祭=イースターの祈りをささげている最中でした。スリランカ政府によりますと、6か所の爆発と捜査の過程で、これまでに207人が死亡し、400人以上がけがをしました。捜査当局は6か所の爆発はいずれも自爆テロで、周到に準備された計画的な犯行だったという見方を明らかにしていました。

今月9日、「ナショナル・トウィート・ジャマーアト」という国内のイスラム過激派組織が、キリスト教の教会などを狙った自爆テロを計画しているという情報をつかみ、国防省が全国の警察に警戒態勢をとるよう指示を出していたことが分かりました。しかし、計画がいつ実行されるのか、日付までは特定できていませんでした。この組織が今回の同時爆破テロ事件を実行したとはまだ断定できていませんが、捜査当局はこの組織と事件との関連を捜査していました。

スリランカの最新国勢調査によると、国内では上座(テーラワーダ)仏教の信徒が国民の70.2%を占め、ヒンドゥー教徒は12.6%、イスラム教徒は9.7%。キリスト教徒は約150万人で、そのほとんどはカトリック教徒です。

独立を求める少数派のヒンドゥー教徒タミル人の「LTTE=タミル・イーラム解放のトラ」と、多数派の仏教徒シンハラ人との間で内戦が26年間続きました。2009年にLTTEが敗れ内戦が終結するまでに、7万~8万人の死者が出たとされます。

昨年3月にはシンハラ人がイスラム教のモスクやイスラム教徒が所有する建物を襲撃する事件が発生しました。政府は非常事態を宣言しました。

今回の爆発事件は、内戦終結後、最悪の被害となりました。今のところ犯行声明は出ていませんでしたが、デシルバ経済改革・公共分配担当相によりますと、これまでに7人が拘束されました。いずれの爆発も原因などは、早期に発表されると言われますが、スリランカで相次いだ爆発の事件は、太平の時期を破ったとしています。

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