平和・安定に向けるアフリカ

(VOVWORLD) -既にお伝えしましたように、先ごろ、エチオピアの首都アディスアベバで、AU=アフリカ連合の第32回首脳会議が2日間の議事日程で開催され、50以上の加盟国の首脳らが参加しました。

今回の首脳会議は、アフリカの難民問題について協議し、その解決策を見出すことが狙いの一つです

アフリカは世界で最も貧しい国々の多くある大陸であり、中でも、サハラ砂漠の南にある地域は、世界で最も貧しい人々を集中しているところとみられています。紛争や戦争、テロは、アフリカの混乱を招きました。また、過激派組織「IS=イスラム国」の多くのメンバーは、シリアやイラクから脱出し、サハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地域サヘルに移行しました。ISはこの地域で活動しているアルカイダ、アルシャバブ、ボコハラムなどのテロ組織と共に、アフリカに不安定な状況をもたらしています。これは、アフリカからヨーロッパへの移民危機を起こした原因となりました。

こうした状況を前に、2019年におけるAUの主要任務の1つは、難民問題を解決することです。AU加盟国の指導者らは、アフリカがテロによって不安定な状況に陥らないように全力を尽くすことを約束しました。世界各国に対し、極端宗教主義を含むテロリズムのすべての形式を除去するよう呼びかけました。同地域の平和・安全問題を巡って、AU加盟55カ国の首脳は、民主的な選挙と権力移転が平和に行われるように前提を作り出すため、2020年をめどに、アフリカ大陸全体ですべての紛争を中止することを約束しています。

実際、この間アフリカで締結された停戦協定は、この大陸に吹いている「希望の風」の兆しであるとみられています。それらは、エチオピアとエリトリアの間で締結された和平協定や、南スーダンでこの5年間起きている流血紛争の解決を目指す和平協定などです。また、中央アフリカ共和国では、政府と14の反政府勢力グループの間で締結された和平合意は、数千人の死亡者と100万人以上の難民を出した2012年からの紛争に終止符を打つと期待されています。

こうした動きと、今回のAU=アフリカ連合首脳会議で出された公約からみると、アフリカの指導者らは、「アフリカのすべての人々がより良い生活を送るように力を合わせよう」というメッセージを出していると言えるでしょう。

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