機会に伴う試練=ロシア

(VOVWORLD) - 3月の選挙で当選したロシアのプーチン大統領が先週、通算4期目となる大統領に就任しました。

国内経済の立て直しや欧米との関係改善など、課題が山積みされました。モスクワのクレムリンで行われた就任式で、プーチン大統領は、憲法が記された冊子に手を置いて宣誓しました。演説では国際社会で影響力がある「強いロシア」をアピールし、今後も国際問題に関与する考えを強調しました。

プーチン大統領の任期は2024年まで、経済など12の優先課題を掲げた大統領令が発表されました。原油安や海外からの制裁で経済は低迷し、新しい政策と人事への期待が高まりますが、プーチン氏が「次の首相に」と、8日のロシア議会の審議の場に推薦したのは、メドベージェフ首相でした。

プーチン氏は演説で「全世界が大きな変革期にあり、ロシアの前途は容易でない」とし、社会の結束によって「全領域での突破的発展」を実現せねばならないと述べました。「安全保障や防衛力には常に関心を払う」とする一方、「発展にかかわる国内の課題を解決することが重要だ」と強調しました。

しかし、現実には欧米との対立激化や統治機構の硬直化により、自律的な経済発展の展望が見えていません。国民の実質所得は2014年に前年比0・7%減、15年は3・2%減、16年は5・8%減、17年は1・7%減-となっています。

プーチン氏が政策の刷新を狙って首相を交代させるとの見方もありましたが、次期首相にはメドベージェフ氏が指名されました。リベラル派の重鎮、クドリン元副首相兼財務相が政権の要職に就くとの予測もありましたが、総じて「本格的な路線変化は期待できない」との声が強いのも事実です。

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