ホアビン水力発電所・越ソ関係のシンボル

(VOVWORLD) -この発電所が建設されていた最中には、旧ソ連の専門家や技術者700人が同時に仕事をした時期もあります。

旧ソ連(ロシアの前身)の熱心な支援により、建設を開始してから20年後の1988年、ベトナム北部ホアビン省にあるホアビン水力発電所の稼働が開始されました。

ホアビン水力発電所・越ソ関係のシンボル - ảnh 1

現在、この発電所はベトナムの電力生産量のおよそ80%を占めています。この発電所が建設されていた最中には、旧ソ連の専門家や技術者700人が同時に仕事をした時期もあります。そのうち、この建設工事に命を落とした人もいました。ホアビン水力発電所はベトナムと旧ソ連との伝統的友好関係、今は、ベトナムとロシアとの戦略的パートナー関係の象徴となっています。

稼働以来この30年、ホアビン水力発電所はベトナムの主要な電力供給源となりました。また、この発電所は洪水防止対策と北部ホン川デルタの農業生産と生活用水を供給しています。

現在、水力発電所には建設中に、犠牲になった168人を偲ぶための慰霊塔が置かれています。その中には、旧ソ連からの専門家13人がいます。ロシアの10月革命100周年を記念するにあたり、ホアビン水力発電所の初代の社長であったブイ・トゥク・キェット( Bui Thuc Khiet) さんはこの発電所を訪れました。

かつて、キェットさんは12年間にわたり、この水力発電所の建設現場で仕事をしてきました。キェットさんはこの建設現場で熱心に働いている旧ソ連の専門家や技術者のことを今でもはっきり覚えています。キェットさんの話です。

(テープ)

「ホアビン水力発電所の建設に参加した旧ソ連の専門家や技術者は自国の発電所のように熱心に仕事をしていました。彼らは十数年にわたり、この建設現場で汗を流しただけでなく、命を落とした人もいました。旧ソ連は利益を物ともせずに、ベトナムを効果的に支援してくれたと思っています」

旧ソ連の専門家がホアビン水力発電所の建設用地の考察のためベトナム入りした1971年ごろ、通訳として活躍したブー・スアン・バン( Vu Xuan Bang) さんは「旧ソ連の専門家らと仕事をしていた時間は忘れがたいものである」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「最も忘れがたい思い出は1978年の大洪水のことです。その時、水力発電所の労働者らがトンネルを掘っていますが、外には堤防があります。堤防が決壊する恐れがあることから、旧ソ連の専門家とベトナム人の幹部や労働者はその堤防が決壊した場合、手をつなぎ、人で堤防を作る態勢を整えていました」

ホアビン水力発電所・越ソ関係のシンボル - ảnh 2

旧ソ連の専門家や技術者は仕事熱心であるだけでなく、日常生活面においても、優しくて、地元の人々と仲良くしていました。ホアビン市の市民の一人ファム・テー・ズン( Pham The Dung) さんは「当時、私は旧ソ連の専門家と家族が住んでいる居住地“ソ連の村”をよく通っていた。旧ソ連の専門家の家族は10年間にわたり、ここに住んでいたことから、地元の人々とよく親しい関係がある」と語りました。ズンさんの話です。

(テープ)

「毎日、夕暮れになるとソ連の専門家が奥さんや子どもと共に市場へやってきました。彼らはベトナム人と挨拶できるように、ベトナム語を勉強しました。地元の子どもたちはロシア語でソ連の人々と挨拶し、楽しかったです。ソ連の専門家はベトナムの子どもたちを愛していましたよ」

一方、ホアビン水力発電所のグェン・バン・ミン( Nguyen Van Minh) 所長は次のように語りました。

(テープ)

「企業文化を教育するため、我々はホアビン水力発電所の建設、発展の道のりに関するクイズコンクールをよく行っています。その目的はこの発電所の幹部や労働者はこの発電所の建設に対する旧ソ連の大きな支援を忘れないようにするためのものです」

ホアビン水力発電所は現在もベトナムの各世代の人々の誇りであるだけでなく、ベトナムとロシアとの伝統的友好関係のシンボルでもあります。


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