ムシャラフ元大統領死去 クーデターで権力掌握、対テロで米支援―パキスタン

(VOVWORLD) -軍事クーデターで権力を握り、2001年の米同時テロ以降、米国の対テロ戦争を支援したパキスタンのペルベズ・ムシャラフ元大統領が5日、病気のため、入院していたアラブ首長国連邦(UAE)のドバイの病院で死去しました。79歳でした。
ムシャラフ元大統領死去 クーデターで権力掌握、対テロで米支援―パキスタン - ảnh 1ムシャラフ元大統領(写真:Sky News)
パキスタン軍が発表しました。報道によりますと、難病の「アミロイドーシス」を患い闘病していました。
印パ分離前の1943年8月、英領インドのデリーで生まれ、パキスタン独立後に同国へ移住しました。64年に陸軍に入隊すると頭角を現しました。
クーデターで権力掌握後の01年、選挙を経ず大統領に就任しましたが、08年総選挙で反対派が躍進した議会からの弾劾圧力に屈し辞任しました。その後、国家反逆罪などで起訴されました。16年に持病治療のため出国が認められ、ドバイで事実上の亡命生活を送っていました。
01年9月の米同時テロ後には、それまで良好な関係にあったアフガニスタンのタリバン政権が米軍主導の軍事作戦で崩壊したことを受け、米軍の対テロ戦争に協力しました。見返りに、欧米や国際通貨基金(IMF)から多額の経済援助を取り付けました。
大統領辞任後は国外へ移住しました。13年に政界復帰を期してパキスタンに戻りましたが、直後に07年のブット元首相暗殺事件に関与した疑いなどで逮捕されました。
また、かつて自らが首相の座から追い落とした政敵ナワズ・シャリフ氏が首相に返り咲き、国家反逆罪で起訴された際の法廷では「陸軍参謀長を9年務め、軍で45年間、国のために尽くした。これが反逆罪に当たるのか」と訴えました。19年に同罪で死刑判決を受けましたが、その後判決は撤回されました。(時事)

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