印パ対立で河野外相が相次ぎ電話協議

(毎日新聞) -日本の河野太郎外相は8日、インドのスワラジ外相と電話で協議し、カシミール地方でのパキスタンとの対立を巡って自制を求めました。パキスタンのクレシ外相とも6日に電話協議して自制を促しました。河野氏は8日の記者会見で、核保有国同士の緊張激化は「被爆国として座視できない」と強調しました。

河野氏は8日の記者会見で「両国は核弾頭を保持していると言われ、万一、激しくなれば取り返しがつかない。戦争被爆国として座視できない」と述べました。

河野氏は8日の電話協議で、2月14日と今月7日にカシミール地方のインド実効支配地域で相次いだテロ事件を非難し、「印パ両国の対話による事態の安定化を求める」と伝えました。スワラジ外相は、対話の重要性に理解を示しました。

日本政府は印パ両国の越境空爆が相次いだ直後の2月28日、双方に自制を促し、パキスタン側にテロ対策強化を求める外相談話を発表しました。河野氏は今月6日の電話協議でクレシ外相からテロ対策の説明を受け、インドとの対話の意思も確認。そのうえで、インド側にも対話を直接促しました。

日本政府は「4~5月に総選挙を控えるインドも、軍の影響力が強いパキスタンも、政治的に妥協しにくい状況」(外務省関係者)とみている。越境空爆が相次いだ際には、パキスタンの民間航空機の運航が中止され、日本企業にも影響が出しました。日本企業の南アジア進出が増えていることも踏まえ、第三国の立場から働きかけを強化しています。

カシミール地方では2月14日、インド側で治安部隊員40人が死亡する自爆テロがあり、パキスタンに拠点を置く過激派組織が犯行声明を出しました。インド軍が同26日にパキスタン北東部の「過激派の訓練キャンプ」を空爆し、27日にはパキスタン軍もインド側を空爆するなど緊張が続いています。

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