日米欧中など温室効果ガスの主要排出国が勢ぞろいし、一部の首脳が、排出削減目標の引き上げを表明する見通しです。温暖化対策は各国の産業競争力を左右するため、首脳会合を機に、米中などによる国家間の主導権争いが激化するとみられます。

米政府によりますと、招待した４０カ国・地域全ての首脳が参加する予定です。会期は２３日までです。外交や安全保障で米国と対立する中国の習近平国家主席や、ロシアのプーチン大統領も初日に演説します。

バイデン氏は、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」に復帰し、世界の取り組みを主導したい考えです。米政権高官は２０日、記者団に「米国は戻ってきた。米国と世界の対策を加速させたい」と語りました。

米外交問題評議会（ＣＦＲ）によりますと、これまで各国・地域が表明した温室効果ガスの国別削減目標（ＮＤＣ）だけでは、早ければ２０３０年にも産業革命前からの気温上昇が１・５度に達します。パリ協定が目指す「１・５度に抑える」目標達成は困難となるため、米政府はサミット参加国に対し、ＮＤＣの引き上げを表明するよう促してきました。