IMFトップ “経済成長率143か国で下方修正” 強い警戒感示す
(VOVWORLD) - IMFのゲオルギエワ専務理事は、「まだ新型コロナウイルスの影響から立ち直っていない中で、危機の上に危機を重ねることになった。インフレに拍車をかけ、多くの国の経済にはっきりとした脅威をもたらしている」と述べました。
IMFのゲオルギエワ専務理事=AFP/TTXVN |
IMF=国際通貨基金のトップ、ゲオルギエワ専務理事がNHKのインタビューに応じ、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、世界の140か国余りのことしの経済成長率が当初の予測より下方修正されると明らかにし、世界経済の減速に強い警戒感を示しました。
IMFのゲオルギエワ専務理事は14日、ワシントンの本部でNHKのインタビューに応じました。
この中で、ロシアによるウクライナ侵攻について「まだ新型コロナウイルスの影響から立ち直っていない中で、危機の上に危機を重ねることになった。インフレに拍車をかけ、多くの国の経済にはっきりとした脅威をもたらしている」と述べ、エネルギーや食料価格の上昇などを通じた世界経済への影響に懸念を示しました。
そのうえで、世界のGDP=国内総生産全体の86%に当たる143か国のことしの成長率が1月時点の予測よりも下方修正されるという見通しを明らかにしました。
また、新型コロナの感染が拡大する中国経済の減速や、これに伴って世界のサプライチェーン=供給網の混乱が長期化することも経済のリスク要因に挙げ「中国は経済活動の厳しい規制に加えて不動産市場の問題も抱え、消費者の心理を冷やしている。政府は成長の減速を防ぐために対策を講じるだろう」と述べ、中国政府が財政出動を含む景気の下支え策をとるとの見方を示しました。
一方、来週20日にワシントンで開かれ、自身も出席するG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議で、ロシアへの対応をめぐる各国の立場の違いが浮き彫りになっていることについては「世界情勢は緊迫しているが、世界経済をこれ以上悪化させないために各国の協力が必要になっているのは明らかだ」と述べるにとどめました。(NHK)