ベトナム、国際社会とともに地雷の被害を克服

(VOVWORLD) - 4月4日は「地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー」、いわゆる「国際地雷デー」です。

これを機に、8日、ベトナムは4月の国連安全保障理事会議長国として、オンライン方式で、「地雷の被害克服と持続可能な平和維持」をテーマにした閣僚級会合を行いました。これは意義深いイベントと評価されています。

ベトナムは戦後の地雷不発弾による最も深刻な被害を受ける国の1つとされています。統計によりますと、現在、ベトナム全国では、地雷・不発弾汚染地域は約610万ヘクタールです。中部各省を始めとする63の省と市で、地雷と不発弾が点在しています。戦争が終結した1975年以来、地雷・不発弾による死者は4万人、負傷者は6万人を超えています。

近年、ベトナム共産党と政府は地雷・不発弾の除去活動に特別な関心を寄せています。政府は国防省に対し、地雷・不発弾汚染の除去活動を強化するよう指導してきました。これまでに、ベトナムは一定の成果を収めてきましたが、地雷・不発弾の被害を十分に克服するため巨額を要します。

毎年、ベトナムは地雷不発弾の除去におよそ1兆ドン(約50億円)を、地雷・不発弾による被害者の治療・リハビリや職業訓練に約数億円を拠出しています。これまで、数億トンの地雷・不発弾が除去され、数十万ヘクタールの汚染土壌が解消されるとともに地雷・不発弾による被害を最小限に抑制されてきました。また、2010年以来、年平均3万ヘクタールから5万ヘクタールの土地で地雷・不発弾が除去されています。

専門家らによりますと、戦後、ベトナムに残された地雷・不発弾を全部除去するためには100年あまりかかり、100億ドル以上の費用を必要としています。また、地雷・不発弾汚染地域での再定住や、社会安全保障は数十億ドルをかけると見積もられています。地雷の深刻な影響を十分に認識するベトナムはその被害克服を目指し、国際社会と緊密に協力しています。ベトナムは外国のパートナーと連携し、支援政策やサービスシステムの完備、地雷・不発弾の除去に携わる幹部、スタッフの業務能力の向上に取り組んでいます。一方、パートナーの勧めに従って、ベトナムは国連障がい者権利条約を批准しました。これは障がい者の保護ケアに対するベトナム政府の強い公約を示しています。

これまで、ベトナムはCCW=特定通常兵器使用禁止制限条約や、APMBC=対人地雷禁止条約、CCM=クラスター弾に関する条約などを批准し、これらの条約に関する国際シンポジウム・会議に積極的に参加してきました。これらの場で、ベトナムは自国の現状を踏まえ、様々なイニシアティブを提案し、国際社会から好評を得ました。特に、戦後の地雷不発弾問題の処理に関わる模範ともみられています。

地雷・不発弾は、ベトナムだけでなく、世界の多くの国の差し迫った問題となっています。こうした中、ベトナムは4月の国連安全保障理事会議長国として、この問題を取り上げ、各国の注目を集めています。そして、ベトナムの努力とイニシアティブは各国の問題解決プロセスに役立つと評されています。

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