ロシアで憲法改正の是非を国民に問う全国投票は２日に開票が完了し、中央選管によると賛成は７７・９％で改憲が成立しました。プーチン大統領が最大で２０３６年まで続投できるよう定めた改憲項目は近く発効します。

プーチン大統領＝AFP/TTXVN

賛成票が投票総数の半数超に達することが全国投票の成立要件で、反対票は２１・２％でした。２００超に上る改憲項目を一括して賛否を問う仕組みで、社会保障の充実や愛国主義をうたう内容も含まれており、国民の支持が広がりました。改憲では領土割譲禁止も定められており、北方領土問題を巡る日ロ間の協議は一層難しさを増しそうです。

プーチン氏は２０００年、エリツィン氏の後継者として大統領に就任し、現在は４期目です。０８～１２年は憲法が定める多選禁止規定で、いったんは首相に就いていました。今回の改憲により２４年に任期が切れた後も、大統領選に出馬して当選すればさらに最大２期（１２年間）務めることが可能となります。事実上の「終身大統領制」に道を開いたと言えます。

改憲の是非を問う全国投票は１月にプーチン氏が表明しました。当初は４月に実施の予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期しました。国内では現在も連日６０００人以上の新規感染者が確認されていますが、プーチン氏は全国投票の実施に踏み切りました。

モスクワなど一部の都市では、投票すると商品購入に使える最大４０００ルーブル（約６１００円）のクーポンが抽選で当たる特典も導入しました。全土の投票率は６５％に上りました。（東京新聞）