香港の“高度な自治”は 中国「国家安全法制」に懸念相次ぐ

(VOVWORLD) -中国の全人代=全国人民代表大会は28日、香港で反政府的な動きを取り締まる「国家安全法制」の導入を決めて閉幕しました。
香港の“高度な自治”は 中国「国家安全法制」に懸念相次ぐ - ảnh 1      (写真:SCMP/VOV)

中国の決定をめぐっては、国際社会から懸念の声が相次ぎ、アメリカは、制裁を科す可能性を示唆するなど強く反発していて米中の対立がさらに激しくなることは避けられない見通しです。

中国の全人代は、28日、習近平国家主席らが出席して議案の採決が行われ、抗議活動が続く香港で反政府的な動きを取り締まる「国家安全法制」を導入することを決めて閉幕しました。

李克強首相は、閉幕後の記者会見で、今回の決定について、「香港の長期的な繁栄を守って行くことを示している」と述べて正当化しました。

今後は、全人代の常設機関である全人代常務委員会が、国家の安全に重大な危害を与える行為や、外国勢力の香港への干渉を防止し、
処罰することなどを盛り込んだ法律を制定するとともに、必要に応じて、中国の治安部門が香港に出先機関を設けて活動を行うとしています。

これに対して、香港では、中国の統制が強化され、高度な自治を認めた「一国二制度」が崩壊しかねないとして懸念の声が広がっていて今後、抗議活動が激しくなることも予想されます。

また、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダの4か国は、28日「深く懸念する」などとする共同声明を発表しました。

日本政府も28日、中国側に対して、今回の事態を深く憂慮しているとする立場を伝えています。

アメリカ政府の高官は、中国の決定を前に、法律を制定すれば制裁を科す可能性があることを示唆し、トランプ大統領も今週中にも何らかの措置を明らかにする考えを示しています。

中国は、アメリカの対応次第では対抗措置を取る構えを示していて米中の対立がさらに激しくなることは避けられない見通しです。

ご感想

他の情報